子どもの質問に感心する
子どもの知的好奇心を引き出すにはどうしたらいいのでしょうか?
子どもは本来、「好奇心のかたまり」です。でも、成長するにしたがって好奇心を失っていきます。好奇心を満たすために投げかけた質問を否定されたり、ないがしろにされてきたりしたからです。「そんなことは考えなくていいの」「今忙しいから」と言われた子どもは、だんだん好奇心を抑えるようになってきます。また、好奇心から起こした行動を叱られると、叱られたくないからもうやめようと思います。このような状態になった子どもは、もとの好奇心を取り戻すのに時間がかかります。
子どもが質問をしてきたら、「よくそこに気づいたね!」「いい質問だね!」と、感心した気持ちを示してみてください。子どもの質問にすかさずベストな答えを言う必要はありません。子どもは、自分の好奇心を肯定され続けると、ますますいろいろなものに興味を広げていきます。子どもが質問してきたときには、まず、感心してください。そうすることで、本来子どもが持っている好奇心が自然と出てくるようになってきます。
質問に対し、すぐに答えを言わない
子どもの知的好奇心をさらに引き出すための、次の段階について説明しましょう。好奇心が芽生え始めると、子どもは活発に質問をするようになります。でも、その質問に対し、すぐに答えを言わないようにするのがコツなんです。たとえば、子どもの宿題を見る場合、答えは子ども自身が出すようにさせるのです。解き方がわからなくてあれこれ考えている時間こそ、思考力が鍛えられている時間です。わからなくて、うんうん悩んでいるその瞬間が、まさにプラチナタイム。それなのに、こらえきれなくなって、つい教えてしまう方が多いようです。
子どもは答えを聞いた瞬間、好奇心を失い、考えなくなってしまいます。これは、じつにもったいないですよね。子どもの質問に対し、すぐに答えを言わないようにする。それだけで、子どもの知的好奇心を膨らませることができます。
朝の新聞解説番組で、新聞の見出しや要点を紙で隠して視聴者の関心をひく手法がありますよね。あれと同じです。隠されているだけで、その内容が気になってしまう。クイズ番組で答えはCMの後で! とやるのも一緒です。
時間を与えて、どうしても子どもが答えを出せない場合はどうするか。その場合は、答えにたどり着くための、材料だけを伝えるようにするのが正解です。決して答えを言わないことです。
「魚を与えるより、魚の釣り方を教える」。これが教育の基本です。