強いポテンシャルを発揮する武蔵野・三鷹(2ページ目)

府中市や町田市の坪単価は大幅に低下

23区に隣接するエリアでも、坪単価が大きくダウンしている市もあります。たとえば、府中市の場合には、2008年には233.0万円だった平均坪単価が、2009年1月～11月には12.4％下がって204.1万円になりました。専有面積はほとんど変わりませんから、平均価格も4,110万円から3,529万円に14.1％下がりました。

また、町田市も同様。2008年の平均坪単価203.4万円が2009年には155.9万円に、23.4％の大幅ダウンです。これだけ下がったのは、専有面積の変化が影響しているようです。2008年は64 m²台だったのが、2009年は72 m²台と8 m²強広くなっているのです。その分、坪単価を大きく押し下げる要因になっています。ですから、平均価格でみると、7.7％のダウンにとどまります。価格上昇のため、一時的に専有面積の狭い物件が増えていたのが、2009年には本来のファミリー向けの広い目の物件中心に戻ったわけです。

立川市の平均専有面積は半分にまで縮小

2009年1月～11月の相場の動きで特筆されるのが立川市。平均坪単価をみると、2008年の206.3万円が、2009年1月～11月には272.4万円に上がりました。実に32.0％もの上昇です。しかし、これは供給されるマンションがワンルームやコンパクトタイプなど、専有面積の狭い物件が中心になったためです。2008年の平均専有面積70.09 m²が、2009年には35.16 m²と、ほぼ半分にまで縮小しています。これだけ変化すれば、平均坪単価への影響も大きくなるのは当然のことでしょう。70 m²前後のファミリータイプ中心の新規供給に戻れば、坪単価も大きくダウンするものと考えられます。2006年から2008年にかけてはおおむね210万円前後で推移していましたから、少なくともそれぐらいの水準か、むしろ若干なりともそれを下回る価格設定になる可能性もあるのではないでしょうか。

八王子市の平均価格は3,000万円台の前半に

八王子市は東京市部でもトップクラスのマンション供給量を誇っています。他の市で大規模物件の販売が行われた年にはトップを譲ることもありますが、それでも2位か3位を維持し、翌年にはトップに返り咲くのが通例です。その意味では、八王子市の相場動向は東京市部の相場を測る物差しのひとつとみることもできます。

その八王子市の2009年1月～11月の平均坪単価は171.0万円でした。2008年は163.1万円でしたから、4.8％の上昇です。しかし、この上昇は専有面積の縮小の影響が大きいとみられます。前年に比べて11 m²以上狭くなっているのです。ですから、坪単価は若干上がっているものの、平均価格は3,300万円で、前年に比べて14.8％も下がっているのです。平均価格でみる限り、値上がり前の3,422万円より低くなっています。3,000万円台の前半の価格で、ゆったりした広めのファミリータイプが手に入るようになれば、市場も活発に動き出すのではないでしょうか。

■東京市部エリア 行政区別相場情報
（府中市・町田市・立川市・八王子市）
（単位：戸数＝戸、平均専有面積＝m²、平均価格＝万円、平均坪単価＝万円）

行政区名	項目	2006年	2007年	2008年	2009年 （1～11月）
府中市	分譲戸数	638	638	477	340
	平均専有面積	72.66	69.80	62.09	61.39
	平均価格	4,108	4,739	4,110	3,529
	平均坪単価	195.6	228.4	233.0	204.1
町田市	分譲戸数	514	866	399	107
	平均専有面積	79.26	76.80	64.08	72.44
	平均価格	3,528	3,456	3,637	3,357
	平均坪単価	147.8	150.4	203.4	155.9
立川市	分譲戸数	186	483	134	50
	平均専有面積	54.03	70.26	70.09	35.16
	平均価格	3,063	4,477	4,349	2,581
	平均坪単価	206.0	214.0	206.3	272.4
八王子市	分譲戸数	980	888	962	510
	平均専有面積	79.76	76.28	80.46	68.72
	平均価格	3,442	3,850	3,872	3,300
	平均坪単価	148.1	174.4	163.1	171.0

（データ提供／東京カンテイ）