強いポテンシャルを発揮する武蔵野・三鷹

東京市部では新規供給数が急速に減少し、価格もジワジワと下がっています。ただ、そのなかでも武蔵野・三鷹の両市は価格を維持しています。東京カンテイのデータをもとに、詳しくみてみましょう。

三鷹市は坪単価も平均単価も上がっている！

全体的に価格が低下するなかで、三鷹市はむしろ上昇傾向にあります。2008年の平均坪単価258.6万円が、2009年1月～11月は272.0万円で、5.2％の上昇。この間に平均専有面積も3 m²ほど広くなっているため、平均価格は4,722万円から5,235万円へ10.9％の上昇を記録しました。値上がり前の2006年の平均坪単価は209.0万円でしたから、随分と高い水準にあります。

武蔵野市もほぼ同様の傾向です。2008年の平均坪単価340.0万円が、2009年は344.2万円で、1.2％の上昇。値上がり前の2006年の坪単価は263.1万円でしたから、かなり強気の価格設定が続いています。ただ、専有面積は76 m²台から66 m²台に10 m²以上縮小。その結果、平均価格は7,979万円から6,871万円に下がりました。

武蔵野・三鷹市とそれ以外の格差が広がる

この両市の相場の動きについて、東京カンテイ市場調査部 上席主任研究員・中山登志朗氏はこう語っています。

「三鷹市、武蔵野市は住宅地としてのポテンシャルが高く、この販売不振の時代でも、強気の価格設定が続いています。それでも、売れ行きは比較的順調なので、東京市部のその他のエリアとの格差が大きくなっています」

この両市の玄関口になるJR中央線吉祥寺駅、三鷹駅の2009年の平均坪単価をみると、吉祥寺駅が283.9万円、三鷹駅が315.4万円。吉祥寺駅より三鷹駅のほうが高くなっていますが、これは三鷹駅で、駅前の超高層大規模マンションが大量に供給された影響が大きいようです。

いずれにしても、2006年の坪単価をみると、吉祥寺駅が217.5万円、三鷹駅が229.5万円でした。両駅とも、値上がり前の水準をはるかに上回る高い坪単価が維持されていることに変わりはありません。

■東京市部エリア 行政区別相場情報（三鷹市・武蔵野市）
（単位：戸数＝戸、平均専有面積＝m²、平均価格＝万円、平均坪単価＝万円）

行政区名	項目	2006年	2007年	2008年	2009年 （1～11月）
三鷹市	分譲戸数	550	181	256	123
	平均専有面積	76.77	73.60	61.01	64.20
	平均価格	4,817	4,511	4,722	5,235
	平均坪単価	209.0	201.9	258.6	272.0
武蔵野市	分譲戸数	202	156	549	383
	平均専有面積	63.06	75.85	76.99	66.43
	平均価格	4,922	6,150	7,979	6,871
	平均坪単価	263.1	281.2	340.0	344.2

（データ提供／東京カンテイ）

■東京市部エリア 駅別相場情報
（単位：戸数＝戸、平均専有面積＝m²、平均価格＝万円、平均坪単価＝万円）

沿線名	駅名	項目	2006年	2007年	2008年	2009年 （1～11月）
ＪＲ中央線	吉祥寺	分譲戸数	160	76	49	382
		平均専有面積	74.75	62.97	85.11	77.56
		平均価格	4,647	4,957	10,703	6,720
		平均坪単価	217.5	288.1	402.3	283.9
	三鷹	分譲戸数	392	56	475	547
		平均専有面積	69.71	72.83	65.73	60.05
		平均価格	4,775	4,179	7,091	5,582
		平均坪単価	229.5	190.1	344.7	315.4

（データ提供／東京カンテイ）