株式戦略マル秘レポート/横山利香の「儲かる株価チャートの法則」

株価が1000円超下落!下がる?上がる?を考えるヒント

日経平均株価が1000円超も大幅に下落し、1万5000円を割り込んで取引を終えました。あまりの急ピッチな下落に、「株価はこれから下がるの?」と不安に思っている人も多いかもしれません。そこで、どこまで株価が上がる可能性があるのか、また株価が下がる場合の考え方を伝授します。

横山 利香

執筆者:横山 利香

投資をはじめてみようガイド

  • Comment Page Icon

日経平均株価が1000円超の急落!

5年ぶりに1万5000円台に乗せたと話題の日経平均株価でしたが、5月23日に大幅に下落。一時は年初来高値である1万5942円を付けた後、1000円超も値下がり。終値は1万5000円を割り込み、1万4483円で取引を終えました。あまりの急ピッチな下落に、「株価はこれからどうなるのだろう」と不安に思っている人も多いかもしれません。そこで、株価が今後どう動く可能性があるのか、株価の今後を考えるためのヒントを伝授します。

早速、日経平均株価の半年間の株価チャートを見てみましょう。向かって右端が23日の大幅下落になります。
チャート

日経平均株価チャート。Yahoo!ファイナンスより。拡大画像あり


先月の「日経平均1万4000円目前!まだ上がる?下がる?」の記事では、日経平均株価は1万4000円目前という水準でした。それから1000円も上昇したわけですから、さすがに急上昇です。そして、23日には1000円超となる大幅下落ですから、株価が今後どう動くのだろうと不安に思っても不思議はありません。

株価の動きを考えるための「窓」とは?

株価が大きく下落(もしくは上昇)する時、勢いが強いあまりに株価が前日終値近辺で寄り付かないことがあります。この場合、株価チャートには隙間が生じ、この隙間のことを「窓(空)」と言います。

一般的に、株価は窓に吸い寄せられるように動くとされています。そして、窓を埋めるか否かで、株価の力強さを知ることができます。

窓についての参考記事:「日経平均株価は年初来安値更新で大底を打ち、反転か?」

日経平均株価は、サブプライムローン問題、そしてリーマン・ショックが起き、2008年10月に記録的な安値6994円をつけるまでの値下がり過程で窓(1万5240円から1万5156円)を開けながら下落しました。この窓を埋めたことを考えると、株価は非常に力強く上昇していると考えることができます。

とは言え、日経平均株価が1万5000円台まで上昇する過程でも、多くの窓を開けて上昇しました。つまり、株価がいったん下落トレンド入りすると、逆にこれまで開けてきた窓を埋める可能性もあるということです。もちろん、すべての窓が埋められるわけではありませんし、すぐに埋められるわけでもありません。

5月23日の下落が押し目なのか、下落トレンドへの始まりなのかは、誰にもわかりません。言えることは一つです。株式市場が上がり続けるわけではありませんので、いずれ株価は下落に転じるのが相場です。最近では自動売買も盛んになっていることもあり、下落した場合の逆指値を入れている投資家も多いようです。そのため、利益が少しでもあるうちに売ろうと考える投資家や、損失を抱えた多くの投資家がロスカット(損切り)の取引が行われるため、ロスカットがロスカットを発生させ、より加速度を増して下落していく傾向にあります。

こうしたことを踏まえると、これまでに開けてきた窓に吸い寄せられるように、株価は力強く下落する可能性が高いと考えられます。今後の株価動向を考える際には、どの価格帯に窓が開いているのかを意識しておいて損はないと言えるでしょう。参考までに、政権交代以降にあけた窓に囲みをつけておきましたので、参考にしてみて下さい。
チャート

日経平均株価チャート。Yahoo!ファイナンスより。拡大画像あり


今後はどう動く?

なお、日経平均株価は前回の記事で目安とした株価1万4523円を上回り、物凄い勢いでその後もさらに上昇しました。

株式投資の格言に、「半値戻しは全値戻し」があります。前回の計算を参考にすると、半値は1万2640円でした。すでに半値戻しは達成され、そして、3分の2戻しも達成しました。この格言通りに考えると、株式市場はまだまだ上がる可能性が高く、1万8300円あたりまで株価が上昇する可能性が高くなったと考えることができるのです。もちろん、格言やテクニカル分析が絶対に当たるわけでもありません。

株式市場は通常、上げ下げを繰り返し、押し目(上昇トレンドの途中で発生する株価が安いタイミング)を作りながら上昇していきます。ですから、押し目らしい押し目もないまま株式市場が昨年末から上昇を続けてきたこと自体が通常では考えにくいことなのです。

最後に、株式投資で絶対儲かるはありません。未来が予測できないわけですから、損失を最小限にするためにも、過大な取引は控えてリスク管理を徹底することが大切であることを忘れないで下さい。

【関連記事をチェック!】
5月22日、なぜ1ドル=103円台を再度突破した?


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます