5月22日から23日未明の円安は
バーナンキFRB議長の証言による

円安が加速

円安が加速

ここにきて更なるドル高円安が進んでいます。5月22日のニューヨーク外国為替市場では、乱高下が激しく、1ドル=102円70銭ほどまで円高が進んだかと思いきや、その後は大幅にドル高円安が進行。23日午前1時の段階で1ドル=103円60銭ほどまで円安が進みました。

一体何があって再度1ドル=103円台に突入し、円安が加速するきっかけとなったのでしょう。これには、実際にはドル高が進んだことによるといえ、米国のバーナンキFRB議長による発言がカギとなったといえます。

為替は、「外貨預金を買うときにチェックしたいドル円の指標は?」でも解説したように、経済指標に影響を受けるほか、重要人物の発言が為替市場で大きく反応することもあります。

今回はバーナンキFRB議長の発言が、ドル安円高に振れさせたかと思いきや、その後ドル高円安へと振れる要素となりました。

どういうことかといいますと、バーナンキFRB議長は、米国議会証言で、「時期尚早の引き締めは景気回復の鈍化や終了のリスクとなる」、「雇用市場の見通しが著しく改善するまでは債券購入は続ける」などの見解を示しました。このことで、当初は現在行われている量的緩和(QE3)が継続される、つまり緩和維持の方向で受け止められたため、ドルが売られ円が買われたのです。この結果、1ドル=102円70銭ほどまでドル安円高が進みました。

しかしその後、NYダウが上昇したこと、バーナンキFRB議長が「雇用市場の改善が継続すれば、今後の数回の会合で資産購入を縮小する可能性がある」などと発言したことで、QE3早期解除観測につながり、ドル買いが優勢となりました。

5月17日につけた、1ドル=103円32銭を上抜けるどころか、1ドル=103円60銭近辺までドル高円安が進んでいます(23日午前1時現在)

重要人物の発言だけではなく、米長期金利上昇が
ドル高円安を助長した場面も

重要人物の発言は為替や株式市場を動かす可能性が高いため、今回のようにもともと議会での発言があることがわかっている場合や、日銀の金融政策決定会合などあらかじめ為替を動かす可能性のある行事がわかっている場合には、前もってチェックしておきたいところです。

為替は発言に対する期待感や失望感で動くことはよくあります。それらの発言が、長期的にも影響を与えることはあるといえ、外貨預金を検討されている方も新聞などでチェックしておくポイントといえます。

今回、バーナンキFRB議長の発言がドル高円安へと流れを動かしただけでなく、足元では米国の長期金利も上昇幅を加速させており、その結果ドル高円安を助長している側面も見られました。

ここで指摘したい為替で見ておくべきもう一つのポイントは、ドル円の場合、日米の金利差になります。特に、米国の長期金利が上昇するかどうかが大きなポイントといえます。仮に、日本の金利が変わらず、米国の金利が上昇すれば、金利の差は拡大します。

一般的に、金利が相対的に高い国に資金は流入するといえ、米国の金利のみが上昇すれば、ドルが買われ円が売られる、つまり円安ドル高へ動くと想定できます。

今後、米国が量的緩和を解除させるほどの景気が回復(雇用が回復)していくのであれば、米国金利はさらに上昇する可能性があり、更なるドル高になる可能性は十分あるといえます。一方で日本の金利は米国ほどには上昇しないものと思われます。大胆な金融緩和が行われたばかりですし、出口戦略を考えるような時期とはなっていないためです。

したがって、外貨預金のように、長期での運用を心掛ける場合には、経済指標や重要人物の発言の他に、日米の金利差がどう展開していくのか、長期的に見てどんな傾向がつかめるのかといった点にも注目しておきましょう。もちろん、短期の場合でもこれらの要素は重要です。短期運用の場合には、日々の金利差を注意深く見ておくことも重要といえるでしょう。

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