糖質オフダイエットの方法は?
体重計は正直です
厳密な意味で言われる糖質オフは、穀物以外に含まれる糖質(例:果汁)を全て制限すること、緩い広義の意味の糖質オフは、主として穀物を制限するという考えのようです。
いずれにせよ、糖質摂取を制限することには変わりません。
糖質オフ状態で、体の細胞は何をエネルギーにするか
体の細胞は、脂肪酸またはブドウ糖を燃やして生きています。3番目に燃やす物質は少し耳慣れないかもしれませんが、ケトン体です。ケトン体は肝臓が作る脂肪酸の代謝産物。通常の細胞は、脂肪酸とブドウ糖をエネルギー源として燃やしています。神経系はブドウ糖とケトン体を燃やせますが、中枢神経系は通常はブドウ糖を燃やしています。肝臓自身はケトン体を燃やしません。
糖質オフをした場合、当日、遅くとも翌日から、ケトン体が神経で使われるケトン体人間になります。糖質を蓄えているのは肝臓ですが重さは1kg、蓄えている糖質は100g程度です。糖質を制限していなくても、食事の回数が1日1回の人の場合は、毎日この状態になっています。
糖質オフダイエットで作られるリバウンド予備軍
生体内では肝臓でブドウ糖が作られます。糖質オフした場合、ブドウ糖の材料はアミノ酸です。アミノ酸の材料は筋肉の蛋白質。つまり、糖質オフダイエットをすると、筋肉量が減っていくことになります。筋肉量が減ることは、基礎代謝が減ることを意味します。糖質オフのケトン体人間は、基礎代謝が減ったリバウンド予備軍ということになります。筋肉量が落ち、基礎代謝が減り、結果的にリバンドの危険性が高くなってしまう糖質オフダイエットは、医師としては推奨できません。
肝臓にも負担が? 糖質オフ状態での飲酒は避けるべき
糖質オフのケトン体人間になってしまった場合、肝臓は自身では燃やさないケトン体を脂肪酸から作ります。アミノ酸からブドウ糖を作り、作ったブドウ糖は血糖を維持するために放出します。アルコールを分解する肝臓にブドウ糖(グリコーゲン)の蓄えがなくなってしまうため、アルコールの代謝が低下してしまいます。糖質オフ状態での飲酒は避けるべきです。肝臓に十分な糖質を蓄えるためには、飲酒の前々日から糖質を取った上で、当日も糖質を摂取することが大切。週に複数回飲酒する習慣のある方には、この点でも糖質オフダイエットは薦めません。