保健師/保健師の就職事情

保健師の就職事情(2ページ目)

保健師の就職事情は楽観論で語れません。就職先が限られているうえ、新規採用が少ない現実があるからです。小さな自治体では数年に一度しかチャンスがないことも珍しくありません。どうしてもこの地元に近い場所でと考える人のなかには、学校卒業時に就職が決まらず、看護師として働きながらチャンスを待つ人たちもいます。

西内 義雄

執筆者:西内 義雄

保健師ガイド

求人の見つけ方

学生のうちは学校に就職の案内が来るので、ある程度の情報は集まります。ただ、それは主に周辺市町村のお話で、遠く離れた自治体の情報は自分の手で集める努力をしなければなりません。

とくに、故郷で就職したいけれど学校は別の場所にあるという人は、インターネットなどを駆使することはもちろん、学校の先生や故郷の知人たちの交友関係も生かしアンテナを常に張っておくようにしましょう。

保健師が集まるインターネットの情報交換サイトを頻繁に覗くと「○○市で採用があります!」といった情報も出てくるので、ぜひ積極的に利用してください。

どんな場所でもいい。とにかく保健師になりたい! との気持ちを強く持っている人もいると思います。実際、今、保健師として活躍している人のなかにも、資格を生かして働きたいがために見ず知らずの土地に飛び込んだ人も少なくありません。

正職員と嘱託・臨時

保健師の大半を占める公務員の場合、正職員だけでなく、嘱託や臨時職員としての採用もあります。ただし、いつ、何人くらいの採用があるかは決まっていませんし、給料も正職員に比べると低いです。学校を出たものの、就職が決まらず、仕方なく嘱託や臨時をしながら仕事を覚え、翌年に採用試験に合格したとの話もよく聞きますが、法律論でいえば、嘱託や臨時を経験しても、その自治体の正職員になりやすいとはいえません。

しかし、仕事を一生懸命やっていたら、周囲から「来年は募集を出すから必ず受けて合格しなさい!」「隣の町で今度求人を出すらしいよ」と声をかけてもらったり、管轄の保健所保健師からさまざまなアドバイスをもらい、翌年の就職に成功した人もいます。要は、たとえ初年度に就職できなくても、しっかりやっていることを見てくれる人はいるということですね。

ちなみに、地方では嘱託や臨時職員を出しても、なかなか応募がないとの話も聞きます。実は保健師の求人が少ないといっても、実際の現場は常に人手不足なんです。これは今後、国がしっかり考えていかねばならない問題です。
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