歌謡曲は若者にとって未知の、新鮮なダンスミュージック?
今回ご紹介するのは大阪・アメリカ村のKING COBRAで毎月開催され、2013年3月で4周年を迎えた歌謡DJイベント『歌謡deポン!!』。1960年代~1990年頃までの歌謡曲、和製ロック、J-ポップが爆音で鳴り響き、フロアはお酒を飲み、モッシュ、振りマネに興じる若者であふれている。歌謡曲と聞くと"なつかしの""思い出の"みたいな後ろ向きなイメージを持つ人もいるかもしれないが、このイベントの主な客層、出演者は10代~30代のロック好き、クラブ好き、お酒好きなど。そう、ここでは歌謡曲は若者にとって未知の、新鮮なダンスミュージックとして消費されているのだ。
『YMCA』でベタに大盛り上がり
主催者&DJ 大義 「ふらっと飲みに来てほしいイベント」
ガイド:『歌謡deポン!!』四周年おめでとうございます。お互い、この界隈も長くなってきましたが……『歌謡deポン!!』はどのようないきさつではじまったんでしたっけ?大義:もともとはUxGxD TATTOOの葛城さんが『キャバレーナイト』ってイベントで歌謡曲をかけてはったんやけど、それがいい感じで。そんで、当時のKING COBRAの店長から「葛城さんと大義で歌謡曲のDJイベントやらへん?」って声がかかったんがはじまりやったなぁ。
『歌謡deポン!!』主催 大義とガイド 中将タカノリ
それはさておき、大義はそもそも初期パンクとかそういうシーンの人でしたよね。それがどういうきっかけで歌謡曲に興味を持つようになったんでしょうか?
大義:一言で言えばアンテナに引っ掛かっただけやけど、 初期パンは音楽にこれから新しいシーンを創り上げて行くエネルギーちゅーかパワーみたいなモンが渦巻いてる感覚。昭和歌謡は歌詞、メロディ、生音が良くて古き良き時代の日本って感じで、初期パンも昭和歌謡も音楽聞くだけで、その時代その場所におらんかったけど情景とか思い浮かぶ。そんな共通点があってかちょっとずつ聞くよーなってった。
ガイド:昔はロッカーに嫌われてた歌謡曲が、今ではロッカーに共感される音楽になってるんだから時代の流れって面白いもんですね。
4年間、毎月続ける中で、お客さんの入りに変化はありますか?
大義:最初は厳しかったけど徐々に人が 多くなってきてんな~。特に去年から変化があって、フライヤーを見て来てくれた誰も知らん客が多かったり、仲間が連れて来てくれた子が更に誰か連れて来てくれて、どんどん連鎖してってる。平均で40~50は入ってると思うで。
大阪市内を中心に毎月配布されている『歌謡deポン!!』フライヤー
ガイド:歌謡曲DJで、平日のイベントとしては関西最大の規模ですね! 最近の流れを見るとまだまだ発展していきそうな『歌謡deポン!!』ですが、大義としてはこの先どんな方向にもっていきたいんでしょうか?
大義:去年、名古屋にイベントごと出張したことがあったんやけど、よその土地でももっとやっていきたい。あと、KING COBRAでは一ヶ月で一番酒が売れる日らしいから、これからも維持しつつもっと酒を出したい。
基本は、ふらっと飲みに来てもらえるような気軽なイベントであり続けたいなぁ。音楽は"有線で懐メロや歌謡曲が申し訳なさそうにかかってる感じ"くらいの位置づけで。テキーラとか日本酒とか、毎回いろんなフリードリンク用意してるから、飲みながら音楽聴いて盛り上がったらいいやん、って。
ガイド:ありがとうございます。本当にウェルカムで居心地のいいイベントなので、いつまでも基本姿勢変わらず続いてくれることを願っています。
では最後に、大義にとって『歌謡deポン!!』でかかる印象的な三曲を挙げてください。
大義:『恋のぼんちシート』(ザ・ぼんち)、『ごめんよ涙』(田原俊彦)、『ホタテのロックンロール』(安岡力也)で!