独立・開業が可能
社会保険労務士試験に合格すると、独立・開業して自分の事務所を構えることが可能になります。現在開業している社会保険労務士事務所では、主に企業の人事労務顧問業務を受託して、「労働・社会保険手続の代行」や「給与計算」、「労務相談」などを提供しています。顧問契約は通常、企業から顧問料として毎月一定の報酬を得られる形態になっているため、顧問先の件数を増やすことで、事務所経営を安定化することが出来ます。
また、人事労務顧問業務の他にも、事務所によっては雇用保険関連の「助成金の申請代行」に特化したり、就業規則の作成や人事制度の構築などの「人事労務管理のコンサルティング」を得意とするなど、それぞれの特色を打ち出しています。
社会保険労務士の企業全体に対する関与率は全体で概ね30%程度と言われています。これは、同じ士業資格である税理士の関与率が90%程度とされるのに対しまだまだ低い水準で、それだけ社会保険労務士が新たに開拓することができる市場が大きいことを意味しており、新規開業を目指す人にとっても大きなチャンスがあります。
女性も活躍する資格
平成26年の第46回社会保険労務士試験概況によると、合格者の約35%を女性が占めていますが、これは他の士業資格と比較すると高い割合です。社会保険労務士の主な業務として、労働・社会保険手続の代行や給与計算がありますが、このような業務は企業の人事・総務部門で実務を担っている女性が多いからでしょう。
また、女性ならではの仕事の正確さやきめ細やかさ、気配りなども社会保険労務士として大切な要素です。現在、女性社会保険労務士は勤務登録の割合が多いようですが、このような女性ならではの長所は開業社会保険労務士としても大きなメリットとなります。
私もたくさんの女性社会保険労務士を知っていますが、結婚、出産、育児を経ても生き生きと働き続けている方が多いです。実際に、自分自身がそのようなライフイベントを経験することで、従業員の健康保険や雇用保険の給付等に関する手続きのポイントを習得できるので、この点については女性の方が詳しくなりますし、お客様や社員に親身になって対応しています。