マンションの売却/マンション売却の基礎知識

築年数が古いマンション(築古マンション)の売却方法(2ページ目)

築年数が30年、40年経過したマンションが多くなってきました。特に旧耐震といわれる1981年6月以前に建築確認を受けた建物は旧耐震建築物と言われ、耐震基準が強化される前の建物です。東日本大震災の影響もあり、耐震性能については買い手も気になるところ。そのような築年数の経過したマンション(築古マンション)は売ることが出来ないのでしょうか。売り手の素朴な疑問について解説します。

風戸 裕樹

執筆者:風戸 裕樹

不動産売却・査定ガイド

住宅設備の状態について

キッチン

リノベーションに適した室内の例1

長年住宅を利用していると、一部の設備を交換・更新しながら使う人も多いと思います。主要設備が利用できる状態であれば、そのまま購入したいという買い手もいます。その場合、空室であればハウスクリーニング程度を実施いただくことをおすすめします。ハウスクリーニング費用は、ファミリータイプのお部屋で5万円から10万円程度です。生活感が残っている状態よりも、空室でクリーニングされているお部屋のほうが印象は良くなります。

一方、利用できない設備がある場合はどの設備が故障しているのかを把握した上で、修繕するかどうか決めます。こちらも、買い手がリフォームすることもありますので、事前に修繕しないほうが望ましいです。

築古マンションの売却にあたって

まず、上記のような買い手へアプローチできる仲介会社を探します。例えば、大規模なリフォーム(リノベーション)向きのマンション購入を検討したい人は、そのような人向けのウェブサイトを見ています。マンション情報が出ているようなウェブサイトではなく、リフォームをしたお部屋を中心として紹介しているウェブサイトもあります。売却時に仲介会社がそのような媒体へ物件情報を紹介できるかがポイントになります。まれにですが仲介会社の担当者は、リノベーションについてのトレンドを把握していない人もいますので、「どのようなウェブサイトへ掲載できますか?」と聞いてみましょう。

また、仲介会社の担当者がウェブサイトへの掲載を依頼しても、ウェブサイト運営会社に掲載を断られるケースがあります。ウェブサイトではその運営者ごとのカラーがあり、考え方やセンスに合わない場合は掲載しないことが多いからです。しかし、断られたとしても広告媒体を扱う仲介担当者が物件情報を知れば、買い手に紹介してくれることがあります。

●リノベーション向き物件を掲載しているウェブサイトの一例
「リノべる。」http://www.renoveru.jp/

リフォームの可否も大事

トイレ

リノベーションに適した室内の例2 水廻りは排水管の状況が重要

どの程度リフォームできるかも重要になります。例えば、プラン(間取り)変更する買い手もいます。プラン変更というのは、壁の位置を変えて部屋数を増やしたり減らしたり、水廻りなどの配置を変更することです。特に水廻りの大幅な変更は、排水管の状況によってはできないこともあります。また、部屋数を減らすには壁を壊す必要があります。壁が建物の構造にあたる場合は壊すことができずに希望の変更ができないこともあります。売り手は知らなくてもいいことですが、売却活動をする仲介会社は、買い手からこのような質問がくることがあるのである程度知っておく必要があります。




耐震性能や設備の古さから、築古マンションは売れないのではと思いがちですが、売り手が思っている以上に築古マンションには需要があるのです。このように古いなりの売却方法があることを理解し、依頼する仲介会社の担当者が適した売却方法を選択できるかどうかが大事です。古いからダメという時代ではありませんので、諦めずによりよい売却を実現してください。
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