東京・神奈川・千葉・埼玉に住む/23区西[中野・杉並・練馬]

杉並区、練馬区、北区に上昇の波が広がる

都心部や南エリアの価格上昇を受けて、西北エリアにも価格上昇の波が広がりつつあるようです。なかでも住宅地として比較的人気の高い杉並区、練馬区などでの価格上昇傾向が目立っています。

執筆者:山下 和之

杉並区では平均坪単価300万円台に乗る

23区西北エリアのなかでも比較的住宅地としての評価が高い杉並区では、新築マンションの坪単価がジワジワと上昇を続けています。2004年上期には平均220万円台だったのが、下期には250万円台になり、その後も2005年から2006年にかけては、多少の上下がありながらも、260万円台から280万円台で推移してきました。そして、2007年1-5月には、ついに302.0万円と300万円台の大台に乗りました。特に、京王井の頭線富士見ヶ丘駅徒歩3分の「プラウド富士見ヶ丘」は平均専有面積が73m2台で、平均坪単価は330万円になっています。立地やグレードにもよりますが、今後も坪単価300台の物件が増えてくる可能性が高いのではないでしょうか。

なお、隣接する中野区では2007年1-5月に価格集計が可能な新規供給はみられませんでした。

北区ではワンルームが単価押し上げ

北区の新築マンションの2007年1-5月の平均坪単価は287.1万円になりました。これまでの北区の相場からみると、たいへんな上昇ぶりです。過去の推移をみると、2004年は上期が160万円台、下期が180万円台、2005年は上期210万円、下期170万円台で、2006年は上期・下期ともに220万円台でした。多少の上下動はあるにしても、おおむね200万円前後の水準だったのですから、今年に入ってからの上昇には目を見張るものがあります。

しかし、その中身をみると、2007年に販売された物件は2物件で、平均専有面積30m2台のコンパクトマンションまたはワンルームマンションとなっています。都心部での地価の上昇から、都心立地が困難になった投資用物件が分譲されているわけです。投資用物件は、実需向けのファミリータイプより坪単価が高くなる傾向が強いので、今回の大幅な単価上昇につながったようです。今後、さらに投資用物件が増えてくるのかどうかによりますが、ファミリータイプが中心になれば、2006年までの坪単価200万円前後の水準に戻る可能性もありそうです。

■ 東京23区西・北 新築マンション供給動向
(単位:坪単価=万円、平均専有=m2)
市区名   2004年 2005年 2006年 2007年
1-6月 7-12月 1-6月 7-12月 1-6月 7-12月 1-5月
杉並区 分譲戸数 1107 797 419 434 820 594 228
  坪単価 226.6 254.8 281.6 276.5 267.1 270.7 302.0
  平均専有 69.81 54.14 65.81 60.21 50.71 58.46 64.76
中野区 分譲戸数 240 421 565 269 332 122 0
  坪単価 232.3 226.0 260.0 297.2 258.2 263.4 ---
  平均専有 55.89 59.32 54.00 52.63 46.11 52.35 ---
北区 分譲戸数 228 325 548 415 563 498 77
  坪単価 169.6 185.0 212.2 178.0 227.9 221.9 287.1
  平均専有 70.36 63.59 65.95 69.46 48.04 56.94 32.02
(データ提供/東京カンテイ
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