品川区では平均坪単価300万円台に
品川区では2004年には上半期・下半期ともに1,000戸強の供給だったのが、2005年以降は上半期・下半期ごとの新規供給は500戸~1,000戸の範囲で推移しています。ピーク時に比べると若干減少しているとはいえ、比較的安定した供給が続いているといえるでしょう。そのなかで、平均坪単価の動きをみると、2004年は上半期・下半期ともに240万円台で、2005年は上半期が270万円台、下半期が280万円台でした。2006年の上半期は280万円台だったのが、下半期には250万円台に下がりました。しかし、2007年1月~8月の平均は333.7万円に上がっています。2006年下半期からの上昇率は28.9%に達します。南エリアでは他の目黒区、大田区、世田谷区でも上昇傾向が明確になっていますが、昨年下半期に対する上昇率でみると、この品川区の上昇率が最も高くなっています。
目黒区の坪単価は都心並みの水準に
目黒区内で今年1月から8月に新規分譲されたマンションの平均坪単価は413.1万円でした。都心各区と比較すると、渋谷区、港区、千代田区よりは低いものの、中央区、新宿区より高い水準であり、マンション価格からみる限り、目黒区は都心各区並みの水準にあるということができそうです。「最近都内の地価上昇率を調査したのですが、南エリアのなかでも、特に目黒区と世田谷区の地価上昇が大きくなっています。都心発の地価上昇がまず城南方面に波及し、それが杉並区、中野区などの城西方面にまで広がっています。それに対して、中央区や江東区などの城東方面はほぼ横ばい傾向で、区によっては下がっているところもあります。そうした地価動向がマンション価格にも反映されているわけです」(東京カンテイ市場調査室室長・中山登志朗氏)
ことに、目黒区はこのところマンションの供給数が大幅に減少しています。2004年、2005年は年間700戸台、900戸台だったのが、2006年は200戸台に減り、2007年1月~8月も133戸と回復の兆しが見られません。住宅地として人気の高いエリアだけに、こうした供給の少なさが続く限り、価格は強含みで推移することになるのではないでしょうか。
■ 東京23区南 新築マンション供給動向
(単位:坪単価=万円、平均専有=m2)
市区名 | 2004年 | 2005年 | 2006年 | 2007年 | ||||
1-6月 | 7-12月 | 1-6月 | 7-12月 | 1-6月 | 7-12月 | 1~8月 | ||
品川区 | 分譲戸数 | 1084 | 1116 | 968 | 561 | 981 | 663 | 589 |
坪単価 | 247.6 | 245.5 | 279.1 | 283.9 | 280.5 | 258.9 | 333.7 | |
平均専有 | 54.10 | 51.95 | 46.73 | 45.54 | 55.93 | 52.20 | 58.67 | |
目黒区 | 分譲戸数 | 238 | 498 | 674 | 293 | 178 | 44 | 133 |
坪単価 | 302.2 | 315.1 | 329.7 | 325.3 | 320.4 | 355.8 | 413.1 | |
平均専有 | 49.87 | 71.74 | 52.05 | 37.69 | 65.42 | 34.77 | 54.87 |