サラウンドの基礎 「5.1ch? それとも  7.1ch?」

5.1chスピーカー配置

(C)日本オーディオ協会

まずは、基礎知識。

本格的なサラウンドサウンドは、視聴者の周囲を5本のスピーカーで取り囲み、重低音(LFE)を担当するサブウーファー(0.1chと数える)を加えた5.1chが基本です。(図参照)

7.1chは5.1chに対し、視聴者を取り囲むスピーカーを2本追加(原則として真後ろに追加)するもので、スピーカー同士の間隔が短くなり、音の繋がりや包み込まれる感覚が増します。部屋が広くなればなるほど、スピーカーの間隔も広くなるので、8畳程度以上であれば、7.1chを検討するのも良いでしょう。逆に、8畳未満であれば、5.1chでも充分な包囲感が得られるはずです。


手軽で完成度の高い「5.1chセット」

ヤマハ NS-310シリーズ

ヤマハ NS-310シリーズ

多くのメーカーでは、5.1chサラウンドに必要な、単品売りのフロントL・R(前方左右)、センター(前方中央)、リアL・R(後方左右)スピーカーを、「シリーズ」として提案しています。

利点は、ユーザーが目的や好みに応じてメーカー、グレード、大きさ、色などが選べ、かつ、音色が統一されているので組み合わせの失敗が無く、音響面でも完成度の高い立体感が実現できます。

シリーズ提案(セット)の多くは5.1chですが、7.1chを希望する場合は、リア用スピーカーを2本追加すればOKです。

【シリーズ製品の例】

・ヤマハ NS-310 シリーズ 
・オンキヨー D-108 シリーズ
・M&K Sound MK950 THX Select2 Surround Sound System



自由に組み合わせる

自分の好みを反映できるのは、オーディオの楽しみの一つと言って良いでしょう。手持ちのスピーカーを活かす、あるいは憧れのスピーカーを組み入れるなども自由自在です。一方、自身で注意すべき点もあります。

■注意したい「Ω」
スピーカーのスペックには「インピーダンス」という項目があり、具体的には8Ω、6Ω、4Ωなどと表記されています。数値が小さい程、電流が流れやすく、海外製品や出力の大きなスピーカーは「4Ω」が多い傾向があります。

アンプに「6Ω」の表示が有る場合は、6Ω以上のスピーカーを接続せよと言う意味です。6Ωのアンプに4Ωのスピーカーを接続しても音は出ますが、充分にスピーカーを駆動できなかったり、大音量が連続するとアンプが故障したりする原因にもなります。

使いたいスピーカーが4Ωなら、4Ωに対応したアンプを選ぶように注意しましょう。あるいは、使いたいアンプが6Ω対応なら、6Ω以上のスピーカーを選ぶようにしてください。

■サテライトスピーカーのタイプ・大きさ
・コンパクトに徹する
5.1chや7.1chといったサラウンドの場合、重低音はサブウーファーが担うので、視聴者を取り囲むサテライトスピーカーは本棚に収まるような小型サイズのもので構いません。一般にこのような小型スピーカーを「ブックシェルフ型」と呼んでいます。

ステレオが左右同じスピーカーを用いるように、サラウンドも5~7本のスピーカーの音色を統一し、音の繋がり、すなわち前後左右のスムーズな音の移動感を重視する点では、全て同一のスピーカーあるいは同じシリーズのスピーカーで揃えるのが有利です。

【コンパクトスピーカーの例】
富士通テン ECLIPSE TD307MK2A
非常にコンパクトながら、原音に忠実な高音質で人気です。5本入手して、フロントL・R、センター、リアL・Rの全てに使えば、上質なサラウンド空間が完成します。

テレビ台に乗せる、壁や天井に固定するといった設置にも柔軟に対応でき、また、専用のフロアスタンドを購入すれば、高さも簡単に揃えられます。
サブウーファーは別途検討しましょう。

 

・オーディオも楽しみたい
従来のステレオのように、大型のスピーカーでCDなどを楽しみたいというユーザーも多くいます。そんな場合、フロントL・Rに大型のスピーカーを利用しましょう。最近では、細身で床に置くと適度な高さも得られる「フロアスタンド型」あるいは「トールボーイ型」と呼ばれるスピーカーが人気です。

センタースピーカーを選ぶに際しては、フロントL・Rと同等グレード以上のしっかりした製品を選んでください。理由ですが、映画の場合、最も重要なセリフを含め、音声情報の約7割はセンターチャンネルに含まれていると言われています。センタースピーカーは、サラウンドサウンドで非常に重要な役割を果たすのです。

リアスピーカーは、空間の広がりを表現する残響音の再生がメインなので、小型のスピーカーで差し支えありません(音楽ソフトの中には、リア成分に楽器を割り当てたものもあります。そのようなソフトを好んで再生するユーザーは、リアスピーカーも同一の大型を選びます)。

上記のサテライトスピーカーは、相互の連携によって音の移動感や包囲感といった音場を作り出します。よって、音色の統一が重要で、少なくとも同じメーカーの製品を選びましょう。同じシリーズ、同じグレードの製品、セット製品なら、より安心です。

サブウーファーは、独立して低域を担うので、サテライトスピーカーとメーカーが異なってもあまり問題にはなりません。選ぶ際は、部屋の容積に見合うパワーを持った製品を選びましょう。大は小を兼ねますが、大きくてハイパワーの製品は高価なので、予算を有効に活かす観点からも、適度なパワーの製品を選びたいものです。部屋が20畳程度以上と大空間の場合は、サブウーファーを2台あるいは4台使用する事もできます。

また、サテライトスピーカーが大型で充分な低音が出せる場合、サブウーファーを「設置しない」という選択も可能です。アンプの設定で「サブウーファー無し」にすれば、0.1chに相当する低域の音は、低音が出せるスピーカーに割り振られます。

■スピーカーの色
スピーカーの色は好みで選んで良いですが、大型スクリーンにプロジェクターで投写する本格的なホームシアターの場合、映像光がスピーカーに反射すると、スピーカーが目だって映像が見辛くなったり、反射した光がスクリーンに戻って映像に悪影響を与える「迷光」の原因になります。映像を重視する場合、スピーカーの色は艶の無い黒が最適です。


さいごに

スピーカーの選び方はイメージできたでしょうか? スピーカーは沢山のメーカーから豊富な製品が発売されています。部屋の大きさ、好み、目的や予算に応じて、あなたにピッタリのスピーカーを見つけてください!

また、スピーカー設置のノウハウやコツは、以下の記事でご紹介していますので、併せてご参考に!

>> 5.1chスピーカーの配置と調整




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