しかしここ数年、ネット発の田舎情報のターゲット数も、田舎暮らしを支援する団体の窓口への訪問者数も、「若者」に主役を奪われつつあるようです。
*詳細は、前回のガイド記事でどうぞ。
現代の学生たちは田舎の何を目指しているのか? 今回は、就農についての意見を取り上げます(今回も「パルシステム生活協同組合連合会調べ」を参考にさせていただきました)。
就農したい理由はやっぱり「田舎の自然」
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全回答者(1000名)に対し、農業に関わる仕事へ就職したいと思うかを質問(単一回答形式)したところ、「就職したい」と「どちらかといえば就職したい」の合計は、25.9%となりました。
その理由として(複数回答形式)「自然が好きだから」が最多で59.5%となり、次いで「田舎で暮らしたいから」が31.7%、「美味しいものを消費者に届けたいから」が28.6%、「達成感を味わいたいから」が27.0%、「自分に合うと思うから」が24.7%と続きました。
男女別に見ると、就農したい理由に差が見られます。女性は「自然が好きだから」が64.7%、「田舎で暮らしたいから」が39.1%と男性より10ポイント以上高く、男性では「自分で事業を始めたいから」が18.4%と、女性より10ポイント以上高い結果となりました。
農業も「タフ」でなければ生きていけない
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「安定した収入が見込めれば」が最多で56.0%。次いで「高収入が見込めれば」が33.6%と、高い収入の実現を求める声も約3人に1人となり、収入に関する内容が上位2項目となりました。以下「必要な技術や経営の指導があれば」が27.8%で続き、技術的な支援や経営の指導を求める声も見られました。
また、農業に関わる仕事に就く場合に必要だと思うものを質問(全回答者1000名・複数回答形式)したところ、「体力」が74.2%が最多で、約4人に3人は肉体的な頑強さが必要だと感じているようです。次いで「農地」が63.4%、「根性」が58.0%、「粘り強さ」が55.9%といった、精神的な強さが必要とであるとの回答がそれに続きました。
日本が世界に誇れるのは「食の安全」
さて農業に興味がある学生たちは、日本の農業や農作物を取り巻く現状についてどのように感じているのでしょうか。画像はイメージです
そして、「経営力(利益の上がるビジネスモデル)」が4.5%で最も少ない回答。日本の農業における課題に気付かせる結果となっています。
自然が好きな積極派、収入が気になる消極派。田舎で暮らしたいと考えている若い世代にとって、様々な課題が待ち受けています。
しかし今回の調査結果でも、農業に対して若者たちは興味津々。こうした農業への関心と実際の田舎暮らしを上手に結び付けることができれば、若い世代だからできる新しいスタイルの田舎暮らしが実現できそうですね。