Audi(アウディ)/アウディの車種情報・試乗レビュー

アウディQ5ハイブリッドの魅力はやはり燃費か?(2ページ目)

アウディQ5に追加されたハイブリッドに約270km強試乗し、燃費も計測した。リチウムイオンバッテリーを搭載したシンプルなパラレルハイブリッドだが、その実力はどれほどのものなのだろうか。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

豪快というよりも粛々と加速する

Q5ハイブリッドインパネ

Q5ハイブリッドは左ハンドルのみの設定。パドルシフトやクルーズコントロール、ナビ付きの「MMI 3G Plus」を搭載し、Bluetooth接続も可能


スペック的には、224ps/350Nmを搭載する2.0Lターボの「2.0 TFSIクワトロ」と遜色ないどころかエンジン+モーターのシステム合計ではハイブリッドが41ps/210Nmも上回るがスペックほどの圧倒的な速さをことさら誇示するわけではない。

ただし、ハイブリッドは低速から分厚いトルクを発揮するためスルスルと車体を加速させるし、静粛性は一段と高まっているから速さは十分なのに速度感が乏しいともいえるし、かなりアクセルペダルを踏み込めば豪快な加速が可能だ。さらに、ハイブリッド化により重量が120kg以上重くなっているのもジェントルな出力フィーリングに影響しているのかもしれない。

気になったのはガソリンのQ5と同様に、低速では驚くほど軽いパワステで、好みはあるだろうがもう少し重さがあった方がコントロールしやすいだろう。もちろん、高速域になれば手応えを増す。また、制動時のフィーリングも速度域によっては急に制動力が立ち上がってしまうなど、若干の違和感も覚えた。

ハイブリッド化のメリットは?

Q5ハイブリッド荷室

全高が30mm下げられ、荷室下にはリチウムイオンバッテリーが搭載されるが、後席もほぼ段差なく倒せる。前後席の広さも大人4人でも十分で、ゆったりくつろげる


ハイブリッド化のメリットは、前述した静粛性の高さと重心高の低さを感じさせるフットワークだ。全高はガソリン仕様よりも30mm低くなっていて、しかもリチウムイオン電池を搭載していても荷室スペースは実質的にはほとんど犠牲にされていないのはうれしい。

意外なのはハイブリッドのJC08モード燃費12.7km/Lだろう。2.0L TFSIクワトロは12.5km/Lなのでほとんど差はない。ただし、ハイブリッドはアイドリングストップ付きでその頻度も比較的多めだから、実用燃費ではもう少し差がつくかも知れない。

燃費計測には再現性がないためあくまで参考値だが、今回は約275kmを走破して燃費は10.3km/Lだった。高速道路での移動が約7割、一般道が3割で、高速では流れに乗る速度で走り、さらに10km以上の渋滞に遭遇したことを考えるとまずまずだろう。もう少しエコランを意識すれば1km/L以上は十分上乗せできたはずだ。

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