ブラジル/サンパウロの観光

MASP(サンパウロ美術館)

サンパウロ美術館はMASP(マスピ)という愛称で親しまれている美術館です。13世紀から現代までの作品を所蔵し、美術の教科書で見たことある! という作品にもお目にかかれます。MASPへの行きかた、入館方法、ブラジルの鑑賞マナーも紹介します。

執筆者:今井 紀子

MASP(サンパウロ美術館)に行こう!

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外観もアート! サンパウロ市のランドマーク的存在だ。日曜日は1階(柱だけで壁がない)部分で骨董市が開かれる

 

MASPとは?

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美術館の外のアートにも注目! これは美術館の道路を挟んだ向かいにある公衆電話

サンパウロ美術館(Museu de Artes de São Paulo、ムゼウジアルチスジサンパウロ)はMASP(マスピ)という愛称で親しまれている美術館です。13世紀から現代までの作品を所蔵しており、ヨーロッパ、特にフランス、イタリアの作品が多いです。コレクションの数は約8000点。ボッティチェリ、ルノアール、ラファエロ、モネ、セザール、ピカソ、ゴッホシャガールといった一流の作家の作品、さらに中南米の現代美術作家の作品も所蔵しています。美術館の面積は11000平方メートル。地下3階、地上2階の五層の建物の中に、アートスクールや劇場もあります。

この美術館ができたのは1947年。Assis Chateaubriand(アシス シャットーブリアン)氏が資金や自身のコレクションを寄付しました。そのため、美術館の正式名称は、その名前を冠した「Museu de Artes de São Paulo Assis Chateaubriand」と言います。ちなみに、彼は1940年から50年代のメディア王です。34の新聞、36のラジオ局、18のテレビ局、そして雑誌を持っていました。美術館の建設や展示品の選定などは、ジャーナリストのPietro Maria Bardi(ピエトロ マリア バルジ)氏が携わりました。美術館の公式サイトには、開館セレモニーにエリザベス二世も参加したとあります。

MASPへのアクセス

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地下鉄構内。切符を入れるのは改札に入るときの1回のみ。切符が改札機から出てこなくても慌てないで!

MASPはサンパウロ市内のビジネス街をはしるパウリスタ通り(Avenida Paurisuta、アヴェニーダパウリスタ)沿いにあります。日本総領事館もある通りです。アクセスで便利なのが地下鉄(metrô、メトロー)です。 サンパウロ市内は東西南北に地下鉄が張り巡らされており、地下鉄は路線ごとに番号と色で名前がつけられています。運賃は一律3レアル(約150円)。地下鉄は庶民の足であり、使いこなせると非常に便利です。しかし、旅行客は服装や乗車する時間帯などに注意が必要です。見るからにお金をかけた服装やバッグ、アクセサリー類、そして早朝や夜間の乗車は控えたほうが無難です。また、スリの被害も発生していますので、特に混雑した車内では荷物に注意してください。サンパウロの地下鉄でも日本のように、「降車優先、整列乗車」が呼びかけられています。しかし残念ながら、まだ浸透していません。逆に、小さな子供を連れた人や年配の方に席を譲る光景はよく見られます。

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最寄り駅のトリアノン・マスピ。地上に上がると、人通りも車も多いパウリスタ通りの横に出る

MASPの最寄の駅は1番のグリーンライン(Linha2 Verde、リーニャドイスヴェルジ)のTrianon・Masp(トリアノン・マスピ)です。








 

いよいよ入館

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チケット売り場。枚数や割引対象の方はその旨を伝え、証明書を見せよう

地下鉄の階段を上がると、美術館の建物が見えます。美術館の向かって右手に入り口の表示があり、大きな石碑の脇を進むとチケット売り場があります。入場料は15ヘアイス(約750円)、学生(estudante、エストゥダンチ)は半額、10歳以下(menor de dez anos、メノールデデスアーノス)と60歳以上(maior de sessenta anos、マイオールデセセンタアーノス)の方は無料です。学生の方は、日本の学校で発行された証明書よりも、国際学生証をお持ちであれば、そちらを提示するほうが手続きがスムースです。また、毎週火曜日は誰でも無料で入館することができます。 入場料が無料の日でも、チケットが発行されますので、売り場に立ち寄ってくださいね。

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手荷物預かり所。荷物を預けると、番号がかかれたカードが渡される

チケットチェックの際に、簡単な荷物検査があります。そこを通過した後に手荷物預け所がありますので、ここで荷物を預けてください。鍵のついていない棚に荷物を入れるだけですので、現金などの貴重品や、館内は撮影禁止ですが、心配な方はカメラなどはもって行きましょう。引き換え用のカードが渡されます。



この階から展示スペースへはエレベーターで移動します。操縦員がいますので、行きたい階を伝えましょう。

チケット売り場のある階(日本で言うところの1階) テヒオ、térreo
1階(日本で言うところの2階) プリメイロアンダー、primeiro andar
2階(日本で言うとこの3階) セグンドアンダー、segundo andar
地下1階 プリメイロスビソーロ、primeiro subsolo
地下2階 セグンドスビソーロ segundo subsolo

エレベーターが昇っているのか聞きたい時は「スビンド?、Subindo?」、逆に降りているか聞きたいときは「デセンド?、Descendo?」と聞いてみてください。

MASPあれこれ

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MASP入り口にある巨石

MASPの所蔵作品には、エル・グレコの「受胎告知」など、美術の教科書で見たことがある有名なものが多く、インターネットで検索すると画像が見られるものも多数あります。鑑賞の手助けになりそうな資料が、過去に徳島県立近代美術館で「奇跡のコレクション サンパウロ美術館名品展」が開催された際の展示作品リストです。MASPの解説はポルトガル語ですので、この日本語の解説で予備知識を持っておくとより楽しめるかもしれません。また日本の美術館では、咳をすることさえ気が引けるような雰囲気がありますが、ブラジルの美術館では小声で話をしている人をよく見かけます。美術館に限らず図書館でも、静かにするのがマナーという認識はありますが、少々のマナー違反に対してあからさまに嫌な顔をして見せるという人は少ないです。少し寛大な気持ちを持って鑑賞してくださいね。

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地下1階部分にショップやカフェテリアがある

MASPは大規模な美術館ではありません。それでも、美術品を鑑賞するのは、意外と体力を使いますよね。休憩や小腹が空いたときは地下1階のカフェテリアへ。スイーツやポンデケージョなどのスナックが食べられます。そこからスロープで下った地下2階部分には、ビッフェ形式のレストランもあります。また、美術館内にはショップがありますが、日本の美術館の売店のような土産用の絵葉書を売っているイメージとは少し違います。主力商品は本です。MASPについての本もあります。なかでも絵本の品揃えが豊富です。お子さんへのお土産によさそうですね。

<DATA>
住所:Avenida Paulista, 1578 - São Paulo - SP
地図:Yahoo! Maps
営業時間:火~日 10:00~18:00(チケット売り場は17:30まで)
          木 10:00~20:00(チケット売り場は19:30まで)
定休日:月
入場料:15ヘアス ※学生・教員・60歳未満の定年した方は7ヘアイス。10歳以下と60歳以上の方は無料(身分証明書を提示)。また、火曜日はすべての方が無料。

出典:「サンパウロ美術館公式サイト
      :「徳島県立近代美術館

情報は掲載日時点のものです。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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