株価が上がる理由とは?
日本人は株高に首をかしげる
そんなホットなときなのに、日本人は懐疑的。「今の株高は見かけ倒し。現実はなにも変わっていないし、新政権もまだなにもやっていないのだから、いずれ化けの皮がはがれて、株価は下がるに決まってる」と突き放す人が多いです。しかし、私は、日本だけに限らず世界中で株高の動きがまだしばらくは加速すると見ています。なぜなら、株価は真空状態に突入したからです。
真空状態?
なんのことだと思われるでしょう。そこを解説します。
株価は真空状態に突入した
株価は、そもそもなぜ上がるのでしょう?それは、人間が努力し経済成長を続け、企業利益という付加価値を創造しているからです。では、なぜ下がるのでしょう?それは、売る人がいるからです。
上がって当然なのに、それを売る人がいると、買う人は安い方がいいので、急いで売りたい人から安く買います。だから株価は下がります(上げが止まります)。ならば、売る人がいなくなると株価は下がらないのか? はい、その通りです。上がり続けます。では、売る人がいなくなる状況とは、どんな状況でしょうか?それを知るには、売る人の動機を考える必要があります。
最近のマーケットで売っている人たちは、長年塩漬けしていた株やファンドが元本を回復したので、「やれやれ、やっと戻った」と解約します。今まで損を抱えていた人たちとは、株価が高いときに買った人ですから、そのピークは、リーマンショック前です。
もうお分かりですね。日経平均でいえば最安値の7000円台からリーマン前の12200円台まで、この株価水準には、早く売りたくて仕方ない人たちがたくさんいたのです。ですから、「上がっても下がる」を繰り返してきました。しかし、それを突き抜けると、「急いで売りたい人」がいなくなります。だから、株高は加速するのです。
それでも、日本の過去最高株価は1989年の39000円台ですから、まだ戻り売りの圧力はあります。次のヤマは2008年6月に記録した14440円です。日経平均がこのレンジを突き抜けるときに、本当の株価ラリーが始まるのです。俗にいう「窓が開いている株価帯」に突入するのは、そんなに遠くではありません。
すでに、市場最高値を更新したニューヨーク株価は、ここ14年続いたレンジを上抜けしたので、その上昇期待はなおさら大きいものがあります。でも、投資するには、まだ間に合います。冒頭にご紹介した「いずれ下がるさ」みたいな自嘲が聞こえなくなったとき、それは今度は売り時かもしれません。
当然ながら、投資は自己責任でお願いします。