手元を少し隠すだけで S邸の場合
手元を少しだけ隠すと、安心感が生まれる。壁の高さは20センチ程でいい |
リビングからキッチンを見る。手元が隠れるだけで、だいぶ違う |
そこで最近増えてきたのが、キッチンに20センチ程の壁を立てるスタイルです。これだけでキッチンの見え方が大きく変ります。食材や皿などを出しても、外からはほとんど見えません。調理中の手元も隠れます。これだけでだいぶ負担が減ります。
キッチンの裏側にはストレージがある(写真の右側) |
収納の大半がバックヤードに収まるので、表側に見える棚にはバスケットを置いて、軽やかな雰囲気を演出しています。
ダイニングからリビングを見たところ。キッチンとリビングの距離は近いが、適当な仕切り感がある |
S邸の平面図。バックヤードの奥行きを活かしている |
オープンキッチンを実用的に使いこなす
さて、今回紹介したフォルム アッシュ+バーンの3件の実例は、同じオープンキッチンでも、それぞれに異なる工夫がされています。共通するのは、キッチン、ダイニング、リビングをひとつの空間として捉え、限られたスペースをとても有効に活用していることです。ポイントは収納のバックヤードを作ること。収納の余裕がないと、片付けのモチベーションも下がってしまいます。
3例とも延べ床面積は90~100平米(約30坪)。3~4人家族向けで、子供部屋も備えています。もしリビングやダイニングなどを仕切ってしまったら、とても狭い雰囲気の空間になったでしょう。コンパクトなオープンキッチンは、このような家庭にはもってこいのプランなのです。
取材協力:フォルム アッシュ+バーン(東京・青山)