このオープンキッチンは、なぜすっきり見えるのか
タイルを貼ったシンプルなオープンキッチン。いつもすっきりとする秘訣は、バックヤードにあります(以下全ての写真・図面提供:フォルム アッシュ+バーン) |
フルオープンのキッチンは憧れだけど、掃除や整理が大変では?と考えている方も多いでしょう。事実、収納を考えないオープンキッチンは整理整頓が大変。散らかしていると、ダイニングやリビングまで雑然としてしまいます。でも心配は無用です。正しく収納スペースを作れば、オープンキッチンを自然と美しく保つことが出来ます。ポイントはバックヤードです。キッチンを表舞台と考えれば、バックヤードは舞台裏。美しい舞台を保つためには、舞台裏が大切なのです。
今回は、片付けやすくコンパクトなオープンキッチンのプランを3例、フォルム アッシュ+バーン(東京・青山)の実例から紹介します。上の写真のT邸は、タイル貼りのシンプルなオープンキッチン。シンプルだからこそ、ちょっとした乱れが目立ってしまいます。そこで……
バックヤードを活用していつもすっきり
床はパインの積層フローリング。壁は珪藻土仕上げ。ナチュラルな素材感が気持ちいい |
写真のT邸では、キッチンの左脇にバックヤードを設け、食器棚や食品庫を置いています。キッチンの収納部に入れるのは、日常使いの食器と調理道具だけ。こうすることで、短時間にキッチンの片付けができるのです(T邸の平面図参照)。
バックヤードの広さはキッチンと同じくらいあり、充分な収納力があります。キッチン部分は調理だけ、収納は収納と割り切ることで、どちらも使いやすく、整理しやすくなります。
T邸の平面図。左上にバックヤードがある。キッチン・ダイニング・リビングは3列に並んでいる。キッチンからリビング、ダイニングが見渡せ、子育ての時期には安心して家事ができるプラン |
T邸のキッチンの配置は、キッチン、ダイニング、リビングが平行に3列で配置されています。そしてバックヤードを含めるとL型の配置になります。このL型のプランニングが使いやすさのキーワードになります。L型配置にすることで、限られたスペースの中に、キッチンとリビング、ダイニングを上手に組合わせられます。次のページで紹介する2例も、L型配置を応用したプランです。
次のページで、アイランドキッチンとリビングの距離感を保つ工夫をお見せします。