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ケガを防ぐ!電球交換を考えた照明プラン

椅子に載っての電球交換で転倒するケースが頻発しています。安全に電球を交換するためには、照明のプランニングと、器具選びが大切です。

塩野 哲也

執筆者:塩野 哲也

空間デザインガイド

命がけの電球交換!?

「リフターツインPa」
リモコン操作でライトが上下するシーリングライト「リフターツインPa」。写真提供は全て松下電工
年末年始で電球を交換された方も多いと思います。椅子や机に乗っての慣れない作業で、ひやっとされた事はありませんか。上を向いて行う作業は、日常ではほとんどありません。交換作業は、危ないのがあたりまえで、転落事故はかなり多く発生しています。

特にシーリングライト(天井に直に取り付けたタイプ)は、セード(プラスチックカバー)を取り外したり、丸型の蛍光管を取り替えたり、一人で作業するのは危険です。脚立などを利用して、必ず2人で行いましょう。また、回転式のキャスター椅子は特に危険ですから絶対にやめて下さい。

残念ながら、電球交換が安全で簡単なシーリングライトはあまりありません。照明器具メーカーにぜひ改善して欲しい点です。デザインや機能は大切ですが、セードの取り外しや電球交換をもっと簡単にして、交換方法を誰にでも分りやすく器具に図示するべきでしょう。

いま一番電球交換がしやすいと言われているのは、松下電工の「ツインPa」など、二重環形蛍光ランプを使ったタイプです。ほぼワンタッチで蛍光管が交換できます。しかし、高所で作業することは変りません。また同社の「リフターツインPa」には、リモコンで昇降する便利な機能がついています。電球交換や読書の時に便利ですが、まだ高価です。

転落を防ぐためのプランニング

照明をプランニングする際は
1. 電球交換が簡単に出来る位置に照明を取り付けること。
2. 電球の交換が簡単に出来る器具を選ぶこと。
この2点をしっかりとプロに希望しましょう。特に階段や吹き抜けなど、高所につける照明には注意が必要です。玄関の吹き抜けに素敵なシャンデリアを付けても、掃除や電球交換が出来ないケースがあります。

一般的なプランニングでは、リビングにはシーリングライトを付けます。しかし、電球交換のことを考えれば、ペンダント(天井から吊すタイプ)を採用することも考えられます。シーリングに比べ器具の位置が低くなりますから、だいぶ安全です。

ペンダント
電球タイプのシンプルなペンダント。省エネのためには電球型蛍光ランプを使とよい
ペンダントには蛍光管や電球がむき出しになったタイプが多く交換も楽です。電球を使うタイプには、電球型蛍光ランプを使って電気代を節約しましょう。ペンダントはシーリングに比べて小型で、光量が不足する(暗くなる)場合もありますから、一室に2カ所付けてもいいでしょう。もっとよいのはペンダント1灯と、テーブルスタンドやフロアスタンドを組み合わせることです。

一部屋に複数の器具を使うことを「一室多灯」といいます。こうすることで、より豊かな光の空間を作ることができます。「一室多灯」について、詳しくは「照明」ガイドをご参考ください。

次のページで、電球の取り替え回数を減らすテクニックを紹介します。
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