住宅設計・間取り/住宅設計・間取りのテクニック

これだけは知りたい、窓を配置するコツ

インテリアをプランする際に、窓の配置は大切なポイントです。でも窓はいまいち分りづらい。積極的に窓をデザインして、明るく快適な部屋づくりを目指しましょう。

塩野 哲也

執筆者:塩野 哲也

空間デザインガイド

窓をデザインして、ステップアップ

外観
上げ下げ窓や縦型窓を組み合わせることで、メリハリのある家ができる。三協立山アルミの提案から

引き違い
引き違い窓だけがサッシュではありません。写真は全て三協立山アルミ
今回は住宅プランの中でとても大切な「窓」についてのお話です。でも、窓のことってあまり考えない(考える余裕がない)し、分らないことが多いのです。しかし、家が実際に建ってみると、失敗したー、と感じるのも「窓」が多いのです。だからこそ、プランニングの初期段階から検討することが大切です。

窓と聞いてイメージするのは、「引き違い窓」でしょう。最も多く使われていて、コストも安くできます。でも考えてみてください。例えばお風呂の小さな窓にも「引き違い窓」が採用されてしまうケースがあります。窓の幅はわずか40センチほどです。

これでは一枚あたりの幅は約20センチ。フレームが目立ち、かっこうの悪い窓になります。図面を見ても小さな窓ですから、注意しないと気がつかないこともあります。特にローコストな住宅を求めた場合、自然と「引き違い窓」が選ばれるケースが多いのです。

建主自身が窓を決めよう

ルーバー
左がルーバー窓。右が上げ下げ窓です。ルーバー窓は外から中が見えにくいのも特長
こうした事を防ぐためには、建主自身が窓を理解して、その種類を指定することが大切です。実は「平面図」を見ても、どういう窓が付くのかはなかなか分りません。平面図では窓がつく高さや、窓の高さ方向のサイズは分らないからです。それを補助するために「立面図」や「建具図」がありますが、複数の図面を見ながら全体をイメージすることは、とても難しいことです。

では「引き違い窓」以外に、どういう窓があるか、代表的なものを紹介します。
■ガラスルーバー窓:細いスリット状のガラス板が並んでいるタイプです。室内のレバーを回転すると、ガラス板が連動して持ち上がり、開きます。1階に付けるときは、防犯のため「面格子」を付けた方がいいでしょう。

■上げ下げ窓:古い西洋館などで使われていた「上げ下げ窓」は、上下に窓が移動します。引き違い窓を縦にしたスタイルですね。窓にはバランサーという重りが入っていて、重りのバランスで窓が止まります。

両袖
左が両袖片引き窓、右が縦型滑り出し窓です。すっきりとしたモダンな雰囲気になります
■FIX窓:ガラスをはめ込んだだけの、開かない窓です。最近住宅での採用が増えてきました。日光を採り入れたり、景観のための窓に使います。また天窓にもよく使われ、はめ殺し窓とも呼ばれます。

■両袖片引き窓:真ん中にFIX窓があり、両脇に引き戸が付いています。片側だけに引き戸があるタイプや、縦型滑り出し窓と組み合わせたものもあります。真ん中にフレームがないので、同じ幅の引き違い窓よりも開放的に感じます。

■縦型滑り出し窓:ドアのようにヒンジで開くタイプの窓です。細長い窓が出来るのが特長です。横長の滑り出し窓もあり、こちらは窓を上へ跳ね上げます。

次のページで、窓を取り付ける位置を解説します。
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