現在は観光用に整備されている
「家が木に食べられてしまう!」そんな幻想を抱いてしまいそうな、驚くべき光景の場所が台南にあります。自然の底力を感じさせてくれる場所でもあります。この「安平樹屋」はかつて、塩の倉庫として使われていたそうなのですが、塩業が廃れていく中で廃墟となってしまったそうです。しかし、台湾人はガジュマルの木を「陰」だと信じているそうで、ここを鬼屋敷かなにかと考え、建物に寄り付かなかったそうなのです。そうして月日が流れ、木がますます成長していってこのような状態になったとのことです。
現在はきちんと観光用に整備されていて、建物の外からだけでなく、中も鬼に出会うような雰囲気もなく、安心して見て回ることができるようになっています。パネルで歴史や木についてなどが紹介された部屋があったり、屋根の上からも見学できるように建物の周りを階段が巡らされていたりもしています。
それにしても、ガジュマルの木があちらこちらに手を伸ばしている姿は、まさに圧巻です。歴史的建物と自然の木のコラボレーションは、芸術的ですらあります。一見、今にも木が建物を呑み込んでしまいそうな感じにも思えるのですが、よく見てみると、木もきちんと自分の進むべき道がわかっているかのようにも感じます。止まり木にしている鳥をやさしく包んでいる光景に出会うなど、自然の強さとともに優しさをも感じさせてくれるガジュマルの木がここにはあります。
■安平樹屋
住所:台南市安平區安北路194號
営業時間:8:30~17:30
定休日:なし
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