うっかりして、借りている部屋の畳に焼け焦げを作ってしまった! タバコにはくれぐれもご注意! 思わぬ出費の原因になりかねません。

「どちらが負担するか?」をおさらいしましょう

 前回、東京都の「賃貸住宅トラブルガイドライン」をご紹介しました。

 その内容を簡単におさらいすると、賃貸した部屋を退去するときに、貸主と借主のどちらが、部屋の汚れや破損についての原状回復義務を負うか、というのは、ざっと、次のような基準で決められていました。

・通常の使用に伴って生じる程度の損耗や、時間の経過に伴って生じる損耗→→貸主の費用で修復(原状回復)

・借主の責任によって生じた汚れやキズ、故障や不具合を借主が放置したことで発生・拡大してしまった汚れやキズ→→借主の費用で修復(原状回復)

 今回は、借主に原状回復義務が発生する場合、たとえば、借主が「タバコの火で畳の一部に焼け焦げを作ってしまった。」あるいは「引越作業のときに壁クロスを一部破いてしまった。」なんていうとき、借主は、はたして、畳1枚だけを交換すればいいのか、あるいは、畳全部の交換をしなければならないのか? 

 借主が原状回復しなければならない「範囲」について、考えてみましょう。

借主はどこまで原状回復する?

 このような疑問に、東京都のガイドラインは、次のように答えています。

 「原状回復」の意味は、「もとの状態に戻すこと」ですから、費用の負担についても、破損部分を補修するのに必要な「最小単位」に限定されます。

 つまり、1畳の畳に焼け焦げを作ってしまったら、その1畳を交換すれば、もとの状態に戻すことができますから、それで原状回復をしたことになります。

 また、壁クロスの場合も、破損してしまったクロスだけを交換すれば、その部分はもとの状態に戻すことができるので、その破損分を含む1面分の費用負担をすることでよいことになります。

 ただし、良く問題になるのは、「畳1枚を交換すると、残った他の畳とは色が違ってしまう。だから、全部畳を交換する費用を負担してください。」とか、「クロスを一部だけ張り替えると、他の古い部分と色が違ってしまうので、部屋中のクロスを張り替える費用を負担してください。」と、貸主さんから言われた場合。

 このようなときは、どうなるのでしょうか?

「ガイドライン」の答えを次のページで紹介します。