東京都の「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」

東京都の発行する冊子「賃貸住宅トラブルガイドライン」表紙
 東京都は、平成16年10月より「賃貸住宅紛争防止条例」(正式名称は「東京における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に関する条例」)を施行するのにともない、平成16年9月、「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」というものを発表しました。

 この中には、敷金と賃貸マンションの原状回復についての具体的な事例がもりだくさん。これを知っておくことで、実際にマンションを退去するときに、どの程度までの原状回復費用を負担する必要があるのか、心積もりをすることができるでしょう。

 では、さっそく、具体的な内容を紹介しましょう!

貸主が負担する通常損耗の範囲は?

 私のご紹介した前回の記事、「ハウスクリーニング代に敷金が消えた?」でもご紹介したとおり、普通にお部屋を使用して生じる程度の損耗、時間の経過で生じる損耗については、貸主が負担するのが原則です。

 そして東京都のガイドラインでは、貸主さんが負担する通常損耗の範囲として、次のようなものを挙げています。

・日に当たったりすることで発生した、クロスや床などの変色
・タバコのヤニによるクロスの汚れ(ただし、クリーニングで除去できる程度のもの)
・壁にあいた、画びょう、ピン、くぎ、ネジ等の穴(ただし、下地ボードの張替えまでは不要な程度のもの)
・畳の表替え、裏返し(破損していないけれど、次の入居者のために行うもの)
・壁に貼ったポスターや絵画のあと
・テレビの後部壁面の黒ずみ(電気ヤケ)
・家具の設置による、床やカーペットのへこみ
・お部屋全体のハウスクリーニング(借主が、日常的に清掃を実施していた場合)
・鍵の取替え(借主による破損や紛失がない場合)
・地震で破損したガラス

 いかがですか?

 イメージとしては、なるべくお部屋を傷つけないように気をつけつつ、普通に生活をしていても生じてしまった汚れやお部屋の傷みについては、貸主さんの方で原状回復をすることになる……、そんな考え方になっているようです。

では、ガイドラインはどんな場合に借主が負担すると言っているのでしょうか? 次のページでご紹介します!