調味料/調味料の選び方

味噌の種類と選び方

日本人にとって、無くてはならない調味料の一つが味噌。お味噌汁を飲んだ瞬間、安らぎと、幸せが込み上げてきますよね。日本独自の発酵調味料に秘められた魅力が満載!普段使い慣れている味噌の、誕生や種類、選び方、使い方、保存方法などが分かります。

青木 敦子

執筆者:青木 敦子

調味料ガイド

味噌の歴史

味噌

味噌は調理に欠かせない調味料

味噌は、日本独自の調味料で、穀物を発酵させて作られた発酵食品です。慣れ親しんだ味噌汁には、“ふるさとの味”“おふくろの味”を感じ、ほっこりとした安らぎや温もりを感じる調味料の1つかと思います。また、「さしすせそ」の順番では、1番最後の「そ」に当たり、調理には欠かせない調味料の1つです。

日本の味噌が生まれたのは奈良時代とも言われていて、平安時代には、貴族階級が薬としても珍重していたようです。古代中国の「醤」や「鼓」が朝鮮半島を経て、日本に伝わったとも言われています。

味噌の種類

味噌は、蒸した大豆に麹と塩を加えて熟成、発酵させたもので、麹の原料の違いにより、米味噌、麦味噌、豆味噌に分かれています。米味噌は、北海道、本州、四国など広い地域で造られていて、全国で一般的に使われています。麦味噌は主に九州地方で造られていて、豆味噌は主に東海地方などで造られています。

麹の酵素による原料成分の分解と乳酸菌、酵母によってさまざまな化学変化が起こり、発酵することによって、味噌の旨味や色や香りが生まれてきます。大豆の割合が多いほど、旨味が強くなり、麹の割合が多ければ発酵が促進され、甘味が増します。大豆のアミノ酸と糖が反応して、メイラード反応を起こし、この反応が大きいほど味噌の色が濃くなります。また、熟成が進むとメイラード反応が進み、色濃く仕上がります。

麹の割合によって、甘味噌、甘口味噌、辛味噌に分けられ、熟成期間の違いによって、白、淡色、赤などに分けることができます。江戸時代になってから、味噌は各地の風土、気候などが反映されて、使用する穀類や熟成方法、期間の違いなどから全国に多種、多様な味噌が誕生し、地域、種類によって赤味噌、白味噌、合わせ味噌(調合味噌)などに分ける事ができます。

味噌を選ぶ方法として、自分の出身地のものを選ぶ方法や、米、麦、豆によって使い分けた方法もありますし、いちばんポピュラーな信州味噌は、生産量の35%を占めていると言われていますので、迷ったら信州味噌を試してみるのもおすすめです。

味噌の保存方法

味噌は熟成が進むと変色し、風味も落ちるので、買ってきたら開封前でも冷蔵庫での保存をおすすめします。開封後は、表面の乾燥や酸化を防ぐために、購入時に入っているエージレスは取り除き、ラップなどで表面を覆い、空気を遮断して保管するようにしましょう。また長期間保存する場合は、冷凍庫に入れても凍りませんので冷凍保存が可能です。

味噌の栄養成分

味噌の中には、ビタミンAとC以外のビタミンは、ほぼ含まれていると言われています。女性ホルモンのエストロゲンと似た働きがあるポリフェノールの一種イソフラボンや、体内脂質の代謝を良くして肥満防止に役立つサポニン、若さを保ち丈夫でしなやかな血管を作るレシチン、強い抗酸化作用があるメラノイジンや香り成分のエステル類などを豊富に含んでいますので、ガンや生活習慣病の予防に効果的です。

また遊離リノール酸には美白効果もあると言われていますので、食べて元気にそして綺麗になれる、日本独自の自慢の優れた発酵調味料、上手においしく使いこなしたいですね。


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※衛生面および保存状態に起因して食中毒や体調不良を引き起こす場合があります。必ず清潔な状態で、正しい方法で行い、なるべく早めにお召し上がりください。また、持ち運びの際は保存方法に注意してください。

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