渾沌とした中にも民族の矜恃を垣間見ることのできる「インドラ・チョーク」
安い宿の集まるタメル街から、1~2キロに位置する小さな広場、インドラ・チョーク。この場所を中心とするエリアには、ヒンドゥーと仏教、その他の神々を祀った寺院や石像が無数に点在し、路地は入り組んでいて、一つ間違えばすぐに迷ってしまいそうです。通りを闊歩する人々に目を凝らせば、きらびやかなサリーを着た夫人、自分より大きな荷を担いで歩く老人、毒々しい色で着色したリキシャが、少数民族の伝統衣裳をまとう女性が、縦横無尽に行き来しています。
そして、通りを埋め尽くす物を売る人々。世界遺産の寺院に登り、堂々とサリーを扱う露天商。傾きかけた建物の1階で、真鍮の生活用品や仏具を扱うお店。うす暗い裏路地に、椅子だけ置き、ミルクティーを出している即席カフェなどが、ところ狭しと、ひしめき合っています。
その喧騒に、様々な人々や、野良犬や野良牛、香辛料のにおいなどが混ざり合い、あらゆる文化が、このエリアに凝縮されているようです。
この街は、普通の地元の人々が利用するためのエリアです。タメル街のような外国人相手の客引きや、違法物を売りつけようとする人々はあまりいませんので、治安はそれほど悪くありません。
このエリアに入り込んだら、思い切って裏路地に入り、そこで繰り広げられている、渾沌の都市に集う人々の生活を、目の当たりにしましょう。
インド、東アジア、中東の文化、それから仏教、ヒンドゥー教、イスラム教。あらゆる文化が融合し、渾沌とした中にも民族の矜恃を垣間見ることのできる、インドラ・チョーク周辺。このエリアでは、積極的に道に迷うことをおすすめします。