プノンバケンで夕闇につつまれる。
カンボジアはアンコールワットにお越しの方。密林にひそみ、忽然と姿をあらわす遺跡群も良いですが、すこし小高いこのプノンバケンで、周囲を見はるかしてみませんか。ついでに夕日を鑑賞してみてください。プノンバケンは山というより丘と呼んだ方がよいくらいの高さです。車やトゥクトゥクなどからは山のふもとで降り、あとは徒歩で山頂まで登ります。まっすぐ登れる道もありますが、たぶん危ないのでしょうね。ロープが張られていますし、誰も登っていません。
わたし達もガイドさんに先導されて、山の縁の、熱帯雨林を切り開いたような蛇行した道をゆっくりのぼりました。
小高い丘じゃないかと余裕で歩みだしたものの……。日頃の運動不足がたたり、ガイドさんのすずしい顔を横目で見ながら、遺跡の急な階段をのぼる前に一息つかねばなりませんでした。
残念ながら、わたし達が訪れたのは雨期だったので、夕陽は写真のとおり、ぼや~っとしか見えませんでした。ですが、山登りをしている間にかいた汗が吹く風に乾かされ、なによりずうーっと向こうの方までつづく密林を一望のもとにできるここは、高い建物がほとんどないアンコールワット周辺では必見です。
周辺の遺跡群とセットで回るのが良いと思います。季節にもよりますが6時半前後の日没に合わせて、30分から1時間前に山頂につくように登り始めればよいかと。
ガイドブックに載っているようなくっきりはっきりとした落日が見たい方は、日中かなり暑くなりますが、乾期にお越しください。