建物の中は迷路のように複雑な商業ビル
ネイザンロードを歩いていると、派手なイルミネーションと人だかりの大きなビルが現れます。日本でも有名な『重慶大厦(チョンキンマンション)』、香港の顔ともいえる複合商業ビルです。ウォンカーウァイの映画「恋する惑星」で、金城武が走り回るのもこの重慶マンション。作家・沢木耕太郎さんの「深夜特急」でもゲストハウスや賭博のエピソードでこの重慶マンションが出てきます。香港が好きな方なら、もうきっとご存知ですよね。
1961年11月にオープンした歴史ある重慶マンションですが、住宅としてスタートしたにもかかわらず、その現状は巨大雑居ビルと化しています。ゲストハウス、両替商にレストラン、オフィスなどがあり、住居には120カ国の人が住んでいると言われ、まさに人種のるつぼ。なかなか日本ではお目にかかれない不思議な場所となっています。
香港の暗黒部の象徴であった「九龍城砦」が取り壊された今、重慶マンションはその後継者とも言われています。危険なイメージがあるのですが、実際はそうでもありません。中に入るとシャッターの閉じたお店も多く、1960年代に建てられた名残があり、なんとも古ぼけたたたずまい。香港ぽいな~、と感じます。
1階フロアを進むとレートの良い両替商が並んでいて、街中よりもずっと安いので、筆者は必ずここで両替します。3階以上はレストランが並び、とくにインドカレーのお店が評判です。
ただ、建物の中は迷路のように複雑になっていて、はじめて行った場合は迷うこともありますので、心配な方は1階部分のみの散策をおすすめします。それでも十分面白いですよ。注意点としては、あまりばしゃばしゃと写真を撮ったりしないこと。特に女性の方は、高級品をこれ見よがしに持ち歩いたりはせず、注意を払うようにしてください。気をつけてさえいれば、アジア最大の都会である香港をまさに感じられる場所です。ぜひ遊びに行ってみてください。
■重慶大厦(チョンキンマンション)
住所:尖沙咀彌敦道36-44號 (MTR尖沙咀駅)
営業時間:施設によって異なる
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