戦争の悲惨さを伝える「カイザー・ヴィルヘルム教会」
初代ドイツ皇帝ヴィルヘルム1世を追悼するために1891年に竣工したルター派教会。建設当時の尖塔の高さは113m、大量のモザイクで彩られ、2000人以上を収容できたネオ・ロマネスク様式の優雅な建物でしたが、1943年11月23日のベルリン大空襲で破壊され、辛うじて尖塔部分を残すのみとなってしまいました。
戦後、廃墟と化した教会の処遇を巡っては様々な議論が繰り広げられましたが、最終的に戦争の悲惨さを伝えるために、敢えて修復せずに爆撃された姿のままで保存し、また喪われた部分に代わって、新たに教会堂と鐘楼を建てることに。
このモダニズム建築の新しい教会と鐘楼ですが、残っているネオ・ロマネスク様式の尖塔とあまりにデザイン的にかけ離れているので、個人的にはかなり微妙でした。
ライトアップされる夜間はまだしも、昼間はどこにでもあるようなビルなので同じ教会だと思えないんですよね。
しかし、この新しい教会の魅力は外ではなく中。無数の四角いタイルはすべて、目の覚めるような美しい青一色のステンドグラスで、シンプルすぎる外観からは想像できない幻想的な世界でした。
教会があるクーダム周辺は旧西ベルリンから続くショッピングエリアなので、買い物の合間にでもぜひ立ち寄ってみてください。
■カイザー・ヴィルヘルム教会
・住所:Breitscheidplatz 10789 Berlin
・電話:+49 (0)30 218 5023
・拝観時間:9:00~19:00
・定休日:無休
・拝観料:無料
・URL:http://www.gedaechtniskirche-berlin.de/