ベネチアン・レースを生産している島の代表格
ベネチアの周辺には、ベネチア本島とともに世界文化遺産に登録されている魅力的な島々があります。アドリア海に浮かぶラグーナ(潟)の島々で、ブラーノ島はその一つ。ベネチア観光についでに、足を伸ばしてみませんか?世界中からの観光客でにぎわうベネチアには数多くの土産物店が軒を連ねています。そうした店にはベネチアのすてきな伝統工芸品がいっぱい。たとえばベネチアン・ガラス。カーニバルの仮面。そしてベネチアン・レースもその一つです。
ブラーノ島は、そのベネチアン・レースを生産している島の代表格です。ベネチアン・レースは、島ごとに特徴が異なっていますが、ブラーノ島のレースは、その中で最も繊細で貴重なものとされています。
漁業のための派手な色の外壁
島に着くと、家々の外壁がカラフルなペンキで塗られているのに驚かされます。なんともキッチュでポップな風景。しかしこれにはれっきとした理由があります。昔からこの島の経済を支えていたもうひとつの産業が漁業。しかしあたりは霧が深いため、漁に出た島の人たちが迷わず自分の家に帰ってこられるように、派手な色でわかりやすくしたのだそうです。ベネチアン・レースは16~18世紀に、島の女性たちの家内工芸として発展したそうです。漁の網作りから生まれたこの島のレース。編み目を立体的に仕上げる「空中編み」などの高度な技術は今でも継承されており、島へ行けば、女性たちが家の軒先などでレース編みをしている姿を見ることも。島のメイン通りにはレースなどのお土産物店もありますし、リストランテやバルも。時間があれば、島のレース生産の歴史がわかるレース博物館へもどうぞ。
■Burano(ブラーノ島)
アクセス:ヴェベチア本島のLN番ヴァポレット(水上バス)で約40分
※データは記事公開時点のものです。