別名「白い巨象」の石造りの橋
その姿から「白い巨象」とも呼ばれるリアルト橋は、ベネチアの大動脈カナル・グランデ(大運河)に架かる橋の一つです。反りの大きな太鼓橋として設計されたのは、橋の下を多くの船が通れるようにという配慮からだったそうです。ベネチアの街を縦横無尽に流れる大小の運河。その中でS字型を描きながら大動脈の役割を果たしているのがカナル・グランデです。リアルト橋の上からは、カナル・グランデの上をヴァポレット(水上バス)がゆったり行き交うベネチアらしい風景を眺めることができ、観光客に人気です。
リアルト橋があるのはサンマルコ広場の北。このあたりは海の都ベネチアの中では比較的海抜が高いため洪水に見舞われることも少なく、早い時期からベネチアの商業の中心地として発達していたようです。商取引のために往来する人々が足繁く行き交ったリアルト橋は、「富の橋」とも呼ばれていました。しかし昔は木でできた跳ね橋だったため、崩壊や火災も避けられませんでした。そこで16世紀半ばに石造りの橋として再建されたのです。
1557年にベネチア共和国が橋の設計案を公募したとき、採用されたのはアントニア・ダ・ポンテという人物の案でした。その際、かのミケランジェロもコンペに参加していた(が採用されなかった)というエピソードがあります。
現在橋を行き交っているのは、商人たちではなく世界中からの観光客。土産物店も多く、いつ行っても大賑わいです。ライトアップされた夜の「白い巨象」の姿も必見ですよ。
■Ponte di Rialto(リアルト橋)
住所:Sestiere San Polo,125,Ponte di Rialto,30125,Venezia,Italy
電話:+39-041-250-1771
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