建築家・設計事務所/建築家住宅の実例

究極の狭小二世帯住宅[Big/Small House]

道路拡張で残ったわずか8坪の敷地に建築面積5.9坪の小さな家が建ちました。「上の家」は、素材にこだわったシニア世代の陶芸家の住まい、「下の家」はデザイナー志望の若者のロフトのあるアトリエのような住まいです。上下に独立した長屋にすることで変化に富んだ空間となった、究極の二世帯住宅です。

執筆者:川畑 博哉

最寄りのJR中央線の駅から歩いて10分ほど行った道路拡張が進む都道の一画に、典型的な家型のシルエットの黒い家が現れます。この地に愛着のある建て主は、以前の土地の3分に1になってもこの地に住み続けたいと願い、スタジオ宙に設計を依頼しました。希望を託されたスタジオ宙の郡さんと遠藤さんにとっても、かつてないチャレンジングな仕事になりました。 そして完成した家は、正面から見ると3階建ての大きな家に見えるのに、奥行きがわずか3mの小さな家なのです。しかも北側の奥行きは2mしかありません。しかし、内部には厳しい条件に負けない暮らしやすい空間が待っていました。

大きくて小さな家


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外観
1. 道路に面する西側。外壁は金属サイディング貼り。写真:スタジオ宙
2. 路地に面する南側。目隠しの手前にプランターなどを置くことができる。写真:スタジオ宙
3. 隣家に面する東側。


道路に面した正面は2つの入口と、小さな窓が2つというストイックな外観です。しかし、南側の目隠しのパンチングメタルの奥に、間口いっぱいのガラス窓が控えています。 この家は室内を少しでも広くするために、躯体寸法を最小にする必要がありました。その解決策として、地下のコンクリートの基礎に鉄骨柱を埋め込み、構造の要であるブレースと南側の目隠しのパンチングメタルを合体させています。


◆建築データと建築家プロフィール


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