20世紀初頭のパリはジャズの影響を受け、大融合
ジャズピアニストの小曽根真と塩谷哲がなんとチック・コリアとラヴェルを即興演奏147)。さらに巨大バンド「渋さ知らズ」(247)が20年代パリの芸術キャバレーの狂乱を蘇らせるそう。これは楽しそうですね。また、勅使川原三郎のダンスとヴォックス・クラマンティスの合唱のコラボも注目(346)。子供向け公演も充実
0歳児から聴けるコンサート(111、211、311)は今年も健在。また、フランス音楽は子ども向けの楽曲が充実。サン=サーンス『動物の謝肉祭』(144、223、322)、フォーレ『ドリー』(273)、ラヴェル『マ・メール・ロワ』(261、321)、プーランク『子象ババールの物語』(323)。特にサン=サーンス『動物の謝肉祭』(223、322)とラヴェル『ボレロ』(216)では、世界的なアニメーション作家マリウシュ・ヴィルチンスキがライブ・ドローイングのパフォーマンスを披露するとのこと。音と絵が一体となった幻想的な世界に出会えそうです。一般の演奏会でも、オルガンが登場し派手なサンサーンスの交響曲第3番と、デュカス『魔法使いの弟子』の213、ドビュッシーが満喫できる343などがファミリーにオススメです。
スペインなエキゾチックさとギター
19世紀末から20世紀初頭のパリではスペインブームが起こり、ビゼーの『カルメン』(111、113、173、211、274、314、341)などエキゾティックな作品が多く生み出されました。それらフランスで生まれたスペインにまつわる名曲のほか、ファリャやロドリーゴなど、フランスとかかわりの強いスペインの作曲家の曲、ピアノ音楽の傑作のひとつアルベニスの『イベリア』(256、257、362)などが演奏されます(141、143、145、214、224、251、262、263、264、268、272、313、314、332、334、361、362、365)。また、スペインといえばギター。世界的なギター奏者カニサレス(169、246、269、316、341、372)が自身の楽団を率い名曲の数々を披露。さらに、驚異のカスタネットおばさんルセロ・テナも来日(212、316)。一目瞭然の凄さに会場は多いに盛り上がることでしょう。マニアックな曲も
初心者向けだけではなく、マニアも唸る珍しい曲が演奏されるのもラ・フォル・ジュルネの魅力。今年は、ラドミロー(123、237)、クラ(136、221、254)、デュポン(151)などが気になるところ。ガイド大塚が超個人的に聴きたい!と思うのは
ラヴェル『ピアノ協奏曲』の聴き比べ(113、126、215):ジャズに影響を受けた洒脱な曲プーランク『2台のピアノのための協奏曲』(142):“パリのモーツァルト”と呼ばれたプーランクによるセンチメンタリズムの極致
ラヴェル『ピアノ三重奏曲』(162、335):第一次世界大戦を前に書き上げられた精緻を極めた名曲
デュメイによるフランク『ヴァイオリン・ソナタ』(227):ヴァイオリン・ソナタの名曲を録音も有名なデュメイによる演奏で
リチェルカール・コンソートによるラモーなど(124、271、351):フランスバロックのオシャレな躍動感を
アンサンブル・アンテルコンタンポラン(122、155、243、267、325、342、364):本気の現代音楽に浸りたい
クラシックの活き活きとした響きに触れられる1年に1度の大イベント。ぜひ楽しんでくださいね!