1、総論~近年の行政書士試験の傾向について
平成25年度行政書士試験の傾向と対策を考える上で、まず行政書士試験の近年の傾向を考える必要があります。特に、平成24年度本試験を中心に考えていきたいと思います。行政書士試験は平成18年度から新しい試験制度が始まりました。私の個人的見解ですが、近年の傾向は、「階層化」と「法科大学院の影響による変化」だと考えています。
階層化の傾向とは、行政書士試験が他の国家試験とのバランスを強く意識して作成されているということです。もう少し具体的に言うと、司法試験(旧司法試験も含む)や司法書士試験などの試験を基準に、これらの出題範囲の枠内で、一段易しくして、作成されているということです。特に、司法試験(旧司法試験も含む)の影響が強いように思います。
一方、法科大学院の影響による変化とは、法科大学院の授業の影響を受けて作成されているということです。私は、一橋大学大学院在学中に、法科大学院と共通の授業を履修していました。また、法科大学院のシラバスやレジュメを眼にすることもありました。それらからの実感がひとつの根拠です。さらに、現在の行政書士試験委員には、法科大学院で授業を担当している先生が多くいらっしゃいます。そのため、行政書士試験問題が法科大学院の授業の影響を受けるのはごく自然だと思います。
過去問の重要性は変わりません。
では次に、科目ごとに、平成24年度の傾向を検討した上で、平成25年度対策を考えてみましょう。