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金融機関も嫌がる?「割合」簡単な投資術(2ページ目)

金融機関の人が嫌がるけれど、割合簡単な投資判断方法をお教えします。その心は「金額」ではなく「割合」で考えることです。

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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割合で発想すると自然とリスク管理ができる。

割合を先に考えて投資額を決定した場合と、投資金額を先に考えて投資額を決定した場合の大きな違いは「リスク管理」にあります。

投資金額を先に考えるとき、どんどん投資金額を上積みしていこうと考えてしまいます。積み上げていくということは、気持ちが高ぶっているとどんどん増額してしまうことになります。これは実際に管理可能な投資金額を超えてしまう危ないパターンのリスク管理です。いや、リスクを管理できていませんね

逆に割合から考えることは、自分で自分の投資上限を自然に設定することになります。自分の全財産のうちどれくらいを投資すればいいかと先に考え、そこから増やすアプローチではなく、むしろ実際の投資額をじりじりと引き下げていく検討をします。危険性を先に考慮していますので、投機欲におぼれることもありません

金融機関の人がセールストークをするときは、ほぼ確実に「金額」で攻めてきます。金額上積みアプローチをするほうが売り上げを伸ばしやすいからです。もともと投資に興味がある顧客に投資信託や株を売りつけるのであれば、金額で提案して「もうちょっと増やしては?」というほうが楽な展開になります。お客さんも儲けたいという欲がありますので「そう言われたら、もう少し買ってしまおう」となるからです。

逆に、「割合」アプローチで展開すると、マイナスになる可能性を自覚し、リスクを考えさせます。顧客は冷静になってしまいますし、検討のプロセスも金額を控えていくアプローチを取りますから、考えさせるほど投資額が減ってしまう恐れがあります。営業マンにとっては、まったくつまらない展開になるでしょう。

してみると、「営業マンにとってうれしいパターン」より「営業マンが嫌がるパターン」で考えたほうがいいに決まっています。特に初心者こそ、自分の能力の未熟さを踏まえて投資金額は控えるアプローチを取るほうがいいのです。そのためにも割合アプローチが役に立ちます。

実はセミプロも「割合」を意識していないことがある

「手元に残す現金の割合」と「投資する金額の割合」を考えておくことは資産運用において基礎中の基礎的な重要検討事項なのですが、投資指南書にはあまり書かれていません。教えてくれる人もまれです。なぜなら、ほとんどの指南者は「売り手」の発想で作られているからです。

株の売買を何度も経験していて、初心者からは憧れるようなセミプロ個人投資家であっても、自分の投資割合を意識リスクを管理していないことが多々あります。こういう人は得意な相場が終わると、とたんに想定外の損失にみまわれます。

実は初心者であるあなたが、セミプロよりしっかりリスクを管理していたら、こんなに痛快なことはありませんね。考えるのはとても簡単で、効果も大きい「投資割合」の発想術、あなたも採用してみてはいかがでしょうか?

「割合」だけに、割合と簡単ですしね!
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