マレーシアのハラルレストラン事情
マレーシアのマクドナルド。右奥の壁にJAKIM発行のハラルマークが見える
たとえばマクドナルドやケンタッキーフライドチキンなどのファストフード店。ここはハラルレストランです。そもそも豚メニューやお酒はおいてないので、メニュー内容は日本のものと変わりなく、味も同じ。
次に屋台。これは細かく分かれています。マレー系の料理を提供する屋台は完全ハラル。中国系の屋台は、豚肉好きの中国系マレーシア人を顧客ターゲットにしていてノンハラル。インド系の屋台はカレー好きのマレー系に来てほしいので、ハラルのことが多いです。ハラルをアピールするために、お店にハラルマークが貼られていることもありますが、たいていはスカーフを被ったマレー系女性を目印に。ハラル屋台にビールはありませんので、屋台でビールを飲みたいなら、ノンハラルの中国系屋台を選びましょう。
ショッピングセンターの中にあるフードコートやレストランは、ほとんどがハラルです。おもしろいのは、豚を使った中国料理がハラル化されていてメニューになっていること。たとえば豚チャーシューは鶏チャーシュー、豚ソーセージはチキンソーセージ。これらの食事こそ、イスラム国家でありながら多民族が暮らすマレーシアを象徴する食事。味もなかなかおいしいのでトライしてみましょう。
バンサーにあるイタリアン「BARBERA」。ハラルレストランでお酒無し。持ちこみ可
ただ、高級レストランはお酒を置いていることが多いので、正確にはハラルレストランとは言いません。豚を使っていないレストランという意味で、マレーシアでは「ポークフリー」「ノーポーク」という表現をします。
マレーシアのスーパーは、ハラルとノンハラルのレジが別
カルフールの中央レジ。このメインのレジではノンハラル食品の会計はできない
クアラルンプールの大型ショッピングセンター内にある高級スーパー、たとえばISETANやメルカートには、豚肉や豚ソーセージが売られています。ただ、鶏、牛などの通常の肉コーナーとは別の場所にあるのでご注意。たいてい店舗奥のコーナーに「Non Halal」という看板が掲げてあり、そこに豚のハムや豚ソーセージが置かれています。ノンハラルコーナーで豚肉を買ったら、その場で会計をすること。イスラム教徒は豚を触ることもできませんので、中央のレジで他の商品と一緒に会計することはできません。スーパーのなかに別会計の独立店舗が入っているようなイメージです。
ノンハラル事情になりますが、マレーシアの豚肉は結構おいしいんですよ。 とくにハム。かたまり肉をその場でスライスしてくれる贅沢さで(厚さ指定も可)、100gで200円ぐらい。生ハムも絶品で100gで650円ぐらい。生ハムとワインを買って、ホテルの部屋で飲むのもいいですね。また、ブキビンタンエリアにあるタパス料理では、イベリコ豚の絶品生ハムが東京の約1/2の価格で食べることができます。