お金が無い人でもお金を増やすことができる?
1000万円をまず作ろうとした場合、投資ということを思い浮かべます。そのためには、元金が必要です。そう、お金を作るには、手持ちの余裕資金がないとできないのです。お金がない人の資産運用法を考えてみる……
それは当たり前の話ですが、お金が無い人でもお金を増やすことができるとしたら、どんな方法があるでしょうか?
借金をして投資をする
安易には勧められませんが、ひとつの方法として借金という資金調達があります。たとえばヘッジファンドはお金を借りて投資をすることによって、投資効率をケタ違いに上げて、巨額の富を生み出しています。また、通常の、不動産投資や企業経営においても普通のこと。土地を担保にしてお金を借りたり、競争力のあるビジネスプランを提示して融資をうけたりすることは、健全な資金調達方法です。プロにとっては、当然の選択肢ですが投資初心者などの一般人には向かないでしょう。
ローン返済金を投資にまわす
普通の人にもできることとしては、まとまった「数百万円規模の住宅ローン繰上返済」を考えている場合です。住宅ローンを借りていて、その返済期間中にまとまったお金が残っていたら、繰上げ返済に当てようと考えるのは極めて健全です。でもそうすると借金は減りますが、手持ちの現金も減ってしまいます。そのときにあなたが「借金でお金をつくる」という発想を受け入れられたのなら、なにができるでしょうか?
発想を変えると、繰上げ返済のお金をローン返済に回さないで、投資をすることができます。借金は減りませんが、投資がうまくいけば現金は増えます。手持ち資金がなくて投資できなかった人でも、返済を早めないことで投資チャンスを作れるというワケです。
贈与してもらってお金をつくる
借りてお金をつくることは危険ですが、もらえるなら上々です。たとえば、親や祖父母からの贈与という仕組みがあり、贈与税のかからない範囲が設定されています。たとえば、年間に110万円までの贈与には、基礎控除が適用されて、贈与税がかからず、申告すら不要です(参考:「暦年贈与と相続時精算課税贈与はどちらが得?」)。こちらは借金と違って返済する必要がないので断然有利ですが、ハードルは高いかもしれません。問題は、あなたが人からお金を恵まれるほど、徳のある人間であるかどうかです。あるいは、徳を積んできた歴史があるかです。
一般的には、親や祖父母など、家系の世代の上の人が下の人に贈ることを想像されるでしょう。しかし実は、贈与はだれに対してもできます。だれからもらってもいいのです。あなたの隣人を大事にしてください。
自分が相続人である場合には、もう少しまとまった金額の贈与が可能で、相続時精算課税制度(相続時精算課税のメリットとデメリット)が使えます。
たとえば、親から2500万円までの贈与金が非課税でもらえます。ただし、親が亡くなって相続が発生したときには、その贈与された資産は相続財産として持ち戻されます。つまり、将来に相続税の対象となってしまうので、相続の全体像を把握した上で検討してください。もちろん、相続発生時までに、お金が増えていなければ贈与を受けた意味がありませんから、運用の成功が大前提です。
相続時精算課税制度の補足ですが、法改正により令和6年1月1日より、毎年110万円を贈与財産から控除できる制度が創設されました。通常の暦年贈与の基礎控除額110万円とは別枠で適用できます。
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