消費税率が5%から10%に上昇することもあり、住宅取得を真剣に検討している方が増えているようです。しかし、現行税率が適用されるのは、注文住宅の場合は概ね今年9月がデッドライン。そう考えると、実は決断するまでの時間はあまり残されてないといえます。そこで検討したいのがハウスメーカーによる企画(規格)型住宅の存在です。

自由設計に比べ、スピーディーな検討が可能な企画型住宅

企画型住宅について詳しく説明する前に、消費税税率上昇についての動向に触れておきます。税率アップはまだ、確定事項ではありません。政府は、景気の動向を見ながら今年8月までに増税の可否を決定するとしています。ただ、住宅業界の関係者の話を総合すると、税率アップは避けられないだろうということで一致しています。

GENIUS Viの外観

ミサワホームの「GENIUS Vi」の「学びの家」タイプ。タイル外壁を採用するなど、近年のモダンデザインの住宅にはない重厚感のある外観となっている(クリックすると拡大します)

一方、消費税率のアップは住宅取得者の経済的な負担を増加させるものですから、その軽減のため住宅ローン減税の非課税枠の拡大も検討されています。現状では年収600万円以上の世帯だったら、これによって税率アップ後も現状税率と同じ程度の税負担となるだろうといわれています。

だとすると、消費税率アップ前に慌てて住宅を取得する必要がなく、じっくりと検討してからでも遅くはないということになります。そもそも住宅は一生に一度の大きな買い物ですから、できるだけ慎重に検討したいと思うのは当然です。ですが、消費税が気になるという方にとっては注文住宅の場合は、検討する項目が非常に多いので、悠長なこともいってはいられません。

そこで、皆さんにお勧めしたいのが企画型住宅なのです。企画型住宅はある程度プランが決まっている中から、検討や打合せができますから、自由設計で住宅を建てる場合に比べて、比較的スピーディーに決断がしやすいという側面があります。

とはいえ、企画型住宅についてはマイナスイメージをお持ちの方も多いようです。おそらく「こだわりが反映されない」、「敷地対応力がない」だとか。要するに画一的で面白みがなく、押しつけられるようなそんなイメージなのだと思います。

近年の企画型住宅のトレンドとは?

確かに、一昔前、今の団塊世代の方々が住宅を建てていた時代はそんなイメージが当てはまっていたのだと思います。当時は住宅の量が満たされておらず、それを補うには決まったプランで住まいづくりを行う企画型住宅の方が、供給者にとっても消費者にとっても都合が良かったのです。

ファミリーライブラリー

「ファミリーライブラリー」の様子。手前にはキッチンがあり、子どもは家事をする親に見守られながら学習や読書をする習慣が身につく。コミュニケーション能力を高めるのにも効果大(クリックすると拡大します)

しかし、今や住宅は量より質の時代。画一的だというイメージを嫌い、現在では大手のハウスメーカーでも軒並み自由設計に軸足を移しています。意外に思うかもしれませんが、大手のハウスメーカーでは企画型住宅として「商品」を持っている企業は少なくなっています。ただ、ローコスト系のハウスメーカーには未だに企画型住宅商品は多いようです。

さて、自由設計といってもベースとなるプランが何もなくては打合せに時間がかかり過ぎてしまい、それは消費者にとってもストレスが溜まることになります。ですから、その場合でもまず基本プランをベースに打合せをしスピーディーに商談を行うのが一般的です。

で、企画型住宅は、そのベースとなるプランが数多く存在するものだと考えるといいでしょう。ただし自由設計ではなく企画型ですから、そのプランは外観デザインや間取り、設備や建材、あるいは敷地対応力の部分である程度の制約があるのは事実です。

とはいえ、近年の企画型住宅のプランには自由設計のノウハウ、つまり顧客ニーズを反映したグレードの高いものが増えてきています。いわば、各ハウスメーカーお勧めの厳選プランが用意されているのが、現在の企画型住宅のトレンドといえます。

ですから、下手な設計者に依頼し自由設計で住宅を建築するより、企画型で建築する方がよっぽど上質な住宅となることだってザラにあるのです。また、特に郊外の比較的敷地に余裕のある方にとっては企画型住宅に大きなメリットを感じることができると思います。

では近年の企画型住宅とは具体的にどのようなものなのでしょうか。先日、その事例となる建物を見てきましたので、次のページでご紹介します。