各科目の配点に関して
満点300点(合格点180点)のうち、基礎法学は8点(5肢択一式8点)、憲法は28点(5肢択一式20点、多肢選択式8点)、行政法112点(5肢択一式76点、多肢選択式16点、記述式20点)、民法76点(5肢択一式36点、記述式40点)、会社法及び商法20点(5肢択一式20点)。一般知識は56点(5肢択一式56点)で構成されます。以上のように、行政書士試験は科目の配点に大きな偏りがあります。行政法・民法の二科目で満点をとると、合格点である180点を越えます。もちろん、一般知識の基準点をクリアしなければなりませんが、非常に偏りがあるのが特徴です。試験攻略を考えると、この偏りにどう対処していくかはとても重要です。
難易度について
難易度について統計資料でみてみましょう。財団法人行政書士試験研究センターによれば、合格率は、平成18年度4.79%、平成19年度8.64%、平成20年度6.47%、平成21年度9.05%、平成22年度6.60%、平成23年度8.05%、平成24年度9.19%でした。ちなみに、直近の平成24年度について言えば、受験申込者数75,817名、受験者数59,948名、合格者数5,508名でした。このように、新しい試験制度が採用された平成18年から現在に到るまで、行政書士試験は、おおよそ8%前後の合格率で推移しています。数字をみればわかるように、決して易しい試験ではありません。理由としては、科目数が多いこと、法律系国家試験であるのに一般知識があること、他の法律系国家試験と比べると(司法試験や司法書士試験などを除く)知識が細かいことがあげられます。
私の考える行政書士試験の「いいところ」
難しい行政書士試験ですが、いいところもあります。まず、第一に、独立可能な法律系国家試験の中では、比較的合格しやすいところです。これが行政書士の最大の魅力かもしれません。第二に、絶対評価の試験だということです。絶対評価の試験なので一緒に勉強している人間が敵になりません。上級国家試験の多くは相対評価です。どうしても他人のことが気になってしまいます。また、人間関係に悩むこともあります。しかし、行政書士試験は絶対評価の試験です。「敵は周りの人間ではなく、自分自身」なのです。「みんなで一緒に頑張りましょう」ということが、建前や綺麗事ではなく、あてはまる試験なのです。
一年近くかかる勉強を考えると、勉強仲間をつくって頑張るということは、とても重要です。受験時代に築いた人間関係を合格後も活かすことができます。