鉄道/SL

名古屋のど真ん中を走った『SLあおなみ号』(3ページ目)

河村たかし名古屋市長の肝いりで実現した『SLあおなみ号』。業績不振に喘ぐ『あおなみ線』活性化とSLで街興しをとの狙いで企画された。いきなりSL牽引の観光列車を頻繁に走らせるのは、あまりのもハードルが高いことから、「実験走行」をして定期運行が可能かどうかのデータ収集というのが、今回の運転の目的だった。厳重な警備や計画の甲斐あって、滞りなく「実験走行」は終了。今後の動向が気になるところである。

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド

名古屋駅近辺の鉄道密集地を進む

電車とすれ違うSL

JR関西本線を跨ぐあたりで、あおなみ線電車とすれ違う「SLあおなみ号」

新幹線の下をくぐり抜け、地下から顔を出した近鉄名古屋線、JRの車両基地へ向う線路、JR関西本線を跨いで進む。車内放送では、ブルートレインでもお馴染の「ハイケンスのセレナーデ」というメロディーチャイムが流れる。あっけない旅だが、旅情を感じるチャイムは好ましい。

右手は何本もの線路が並び、左手はささしまライブの空き地やビルが広がる。今回、空き地は、SL観覧場所として見物や撮影に開放された。試運転時でも、多くの人々が思い思いのアングルでカメラを構えていた。

黄金陸橋付近

黄金陸橋付近を行く「SLあおなみ号」

高架のささしまライブ駅を過ぎ、右手にJR東海の車両基地を見ながら走る。いつしか、地上に降りていて、アメリカ生まれの鉄製で歩行者と自転車用の向野橋(こうやばし)の下をくぐる。橋の上は見物客で一杯だ。さらに進み、右手にJR東海の車両基地にある転車台が見えてくると、黄金陸橋の下をくぐる。こちらは、クルマも通れる幅の広い橋で、東端の歩道部分には、やはりSL見物客が通過する列車を見下ろしている。

やがて、並走してきたJRと分かれ、左にカーヴすると、まわりには学校やマンションが目につく。小本駅を通過し、しばらくすると徐行しながら、車体をくねらせつつ、あおなみ線の本線から分岐する貨物専用の線路に入って停止。信号が変わるまでしばし待機だ。SL列車でなくても、普通の旅客列車が乗入れることはないので、乗りテツにとっては、この先の区間は貴重な体験乗車であろう。
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