名古屋駅近辺の鉄道密集地を進む
新幹線の下をくぐり抜け、地下から顔を出した近鉄名古屋線、JRの車両基地へ向う線路、JR関西本線を跨いで進む。車内放送では、ブルートレインでもお馴染の「ハイケンスのセレナーデ」というメロディーチャイムが流れる。あっけない旅だが、旅情を感じるチャイムは好ましい。右手は何本もの線路が並び、左手はささしまライブの空き地やビルが広がる。今回、空き地は、SL観覧場所として見物や撮影に開放された。試運転時でも、多くの人々が思い思いのアングルでカメラを構えていた。
高架のささしまライブ駅を過ぎ、右手にJR東海の車両基地を見ながら走る。いつしか、地上に降りていて、アメリカ生まれの鉄製で歩行者と自転車用の向野橋(こうやばし)の下をくぐる。橋の上は見物客で一杯だ。さらに進み、右手にJR東海の車両基地にある転車台が見えてくると、黄金陸橋の下をくぐる。こちらは、クルマも通れる幅の広い橋で、東端の歩道部分には、やはりSL見物客が通過する列車を見下ろしている。
やがて、並走してきたJRと分かれ、左にカーヴすると、まわりには学校やマンションが目につく。小本駅を通過し、しばらくすると徐行しながら、車体をくねらせつつ、あおなみ線の本線から分岐する貨物専用の線路に入って停止。信号が変わるまでしばし待機だ。SL列車でなくても、普通の旅客列車が乗入れることはないので、乗りテツにとっては、この先の区間は貴重な体験乗車であろう。