ドラマ/冬ドラマ情報

ドラマのTBS復活?『とんび』&『夜行観覧車』(2ページ目)

冬ドラマは近年ヒットに恵まれなかったTBSのホームドラマが好調、苦節に耐えての「ドラマのTBS」復活の兆しか、それとも季節はずれの徒花か?

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

ドラマガイド

アゲアゲ

初回から視聴率をあげているのがこのグループ。

『dinner』は初回こそ『とんび』にやられましたが、2話め以降、じりじり追い上げています。内容は『王様のレストラン』の伝統に即したレストランの復活劇。決して意外なことはおきませんが、堅実に楽しめる作品です。

 

ガイドが冬ドラマで個人的に一番楽しみにしているのはNHK火曜の二作。
『いつか陽のあたる場所で』はムショ帰りの芭子(上戸彩)と綾香(飯島直子)の二人が東京・谷中で再生していくはなし。下町の人情というのがいかにもですが、犯罪の原因は芭子が母親(浅野温子)との関係、綾香は夫のDVというそれぞれ根深いものをかかえていて、それらからどう開放されるのか?

しかし、この枠の前作『シングルマザーズ』もDVだったし、並行して『純と愛』のセクシーさん(映美くらら)エピソードもDV。NHK、DV問題を掘り下げてます。

『書店員ミチルの身の上話』は地方の書店員ミチル(戸田恵梨香)が婚約者(柄本佑)がいるのに不倫相手の出版社の営業マン(新井浩文)といっしょに東京にきて、さらに宝くじがあたって帰郷しないことにするなど行動がハチャメチャ。本人は意識してないんだろうけど、地方で結婚して今後の人生がほとんど決まってしまうことを本能的におそれての行動なんでしょう。

こんな性格の女性が男性主人公を振り回すヒロインというのはあるけど、主役というのはかなりめずらしい。「女」のわからなさが楽しめます。

 

そして『カラマーゾフの兄弟』、いかにも「ロシア文学」という感じで父と息子たちの相克がおも~く描かれているのが現代ではかえって新鮮です。特にシェイクスピアやギリシャ悲劇などの舞台を得意とする吉田鋼太郎の理不尽な父親役の演技はちょっと他のドラマでは見られません。


視聴率グラフ

         視聴率グラフ


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