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コンシューマーゲームの市場は縮小している?(2ページ目)

ここ数年、コンシューマーゲーム業界は縮小し続けていると言われています。実際、コンシューマーゲームの市場規模は2007年から2011年まで4年連続で縮小、2012年は前年並み程度となっています。しかし、これをもって、コンシューマーゲーム業界が縮小してるというのは妥当ではありません。さて、どういうことなのでしょうか?

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

PS2、GBA時代にゲーム業界は縮小傾向に

ゲームハードの図

ゲーム業界は盛り上がっていたイメージがあるのですが、市場は縮小していました

1997年にピークを迎えたゲーム市場は、1999年までは縮小を続け、PS2の発売、そして初代PSの「ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち」も発売した2000年にやや盛り返すも、そこからさらに縮小。2004年になると、ピーク時に約7,600億円あった市場規模は、6割程度の約4,400億円にまで縮小しました。

据え置きハードはPS2、携帯ハードはGBAの時代で、ゲーム業界がとても盛り上がっていた印象のある人も多いんじゃないかと思いますが、実はこの頃全体の市場は少しずつ縮小していたんですね。この世代の特徴は、据え置きハードも携帯ハードもトップハードが非常に強く、一強皆弱の状況が加速していた時代でした。

ここでポイントになるのは、1997年から1999年までの縮小と、2000年から2004年までの縮小は意味が違うということです。前者は、ヒットしたハードが末期を迎えて、次のプラットフォームにチェンジする際に起こる縮小で、これは仕方ないことです。一方、2000年からの縮小は、代替わりをしていく中で、前の世代のプラットフォームのような盛り上がりが作れなかった為に起こっている縮小で、こちらはゲーム業界にとっては大きな問題となります。

2007年 DSブームで第2のピークに

DSとPSPの図

DSとPSPの両ハードで、携帯ハード全盛の時代となりました。

一時盛り返す年もあったものの、7年続いたゲーム業界の市場縮小傾向が底を打ったのが2004年で、この年の年末に、ニンテンドーDS(以下DS)とPSPが発売されます。ここから据え置きハード主体の市場ではなく、携帯ゲームハード主体の市場へと切り替わりが起きます。

その後は毎年市場を拡大し続け、ゲーム業界が大きく盛り上がるのが2007年、市場規模はピーク時には劣るものの約7,100億円まで達します。2007年というと、DSは大変に好調で、約210万本のマリオパーティーDS、約160万本の「ポケモン不思議のダンジョン 時の探検隊・闇の探検隊」などその年に発売されたヒットもあるんですが、その前の年に発売された「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」のように、年をまたいでロングセラーするタイトルもあり、大きな市場となっていました。

それに加えて、2006年に発売から「Wii スポーツ」のヒットが続いて好調なWii、さらには、PSPでは「モンスターハンター ポータブル2nd」が約170万本を販売。複数のハードとソフトが活躍し市場を盛り上げました。

そこからまた、ゲームの市場規模は2011年まで4年連続で縮小していくことになります。では、現状はどういう状態なのでしょうか。
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