消化されないデンプン「レジスタントスターチ」とは

冷やごはん,レジスタントスターチ

冷えたごはんにもレジスタントスターチが含まれています。

食事内容や調理法によっても差はありますが、私たちが摂取したデンプン量の2~10%は、消化・吸収されずに小腸を通り過ぎると考えられており、「健康な人の小腸内で吸収されないデンプン及びデンプンの部分分解物」は総称としてレジスタントスターチ(RS)と呼ばれてます。

このレジスタントスターチは、消化されないということで「食物繊維」と同様の働きがあるのですが、「食物繊維」そのものの定義も明確ではなく、食物繊維に含めてよいのかどうかは議論がある段階です。とはいえその作用は重要な役割があり、より広く様々な成分を包括した名称が提唱されています。以前の記事「広がる食物繊維の仲間と役割」で取りあげていますので、そちらもご参考になさってください。

でんぷんは、多くのブドウ糖が結合したもので、アミロース(直鎖状につながった)とアミロペクチン(枝分かれした)で構成されています。米を炊いて主成分のデンプンに水を加熱すると粘りがでて、アミロースやアミロペクチンの結晶がほどけた状態(α化)となり消化しやすくなります。しかし時間がたって冷えるなどするとアミロースが再結晶化したり、アミロペクチンと絡み合ったりしてボソボソとした状態(β化)になりおいしくなくなります。これを「デンプンの老化」と言います。これもレジスタントスターチの一種です。

わかりやすいので「ルミコナイドとしてのレジスタントスターチの役割」(FFI JOURNAL,Vol,217.No.3,2012)を参考に、レジタントスターチの種類を説明すると、玄米のように物理的にα-アミラーゼ(消化酵素)が作用しない、あるいは粉砕が不十分な穀粒などに含まれるデンプン(RS1)、じゃがいものようにそれ自体がα-アミラーゼに抵抗性を持つデンプン(RS2)、加熱調理による糊化後の老化により生成するα-アミラーゼ抵抗性デンプン(RS3)、化学的に合成されたデンプン(RS4)の4タイプがあるとされています。

レジスタントスターチが注目されるわけ

栄養状態がよくない昔は栄養不足が原因の疾患が問題となりましたが、現代は過剰栄養などを一因とする生活習慣病が問題となっています。この生活習慣病に予防・改善に役立つ作用があることから、レジスタントスターチが注目されているのです。

レジスタントスターチは、デンプンでありながら、食物繊維と同様の作用があり、しかも水溶性・不溶性の両方の性質を兼ね備えていると見られています。ラットや豚などの実験が多いのですが、胃や小腸で消化されないのでエネルギーになりにくく、大腸に達して腸内細菌によりほとんどが発酵されて、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの短鎖脂肪酸に代謝されます。

それによりphが低下することでミネラルの吸収を促し、また善玉菌が増えて便秘改善や腸内環境を整えることに役立ちます。また血中コレステロールや血糖値の上昇を抑える、脂質代謝の改善に役立つといった研究の結果が報告されています。また潰瘍性大腸炎やクローン病等の食事療法にも有効だともいわれています。