けっこう期待できる「企業年金」

2012年、AIJ投資顧問会社が2000億円を消失させたとしてその運用が問題視されているのが企業年金制度です。確定給付企業年金、厚生年金基金がこれにあたります。

「運用がうまくいかず積立不足が増えている」とニュースになることが多く、企業年金については不安感も多いようですが、企業の倒産時においては、実はかなりの額を回収可能な仕組みになっています。

なぜなら、企業年金の特徴は積立金について「外部積立」していることだからです。これは社内のお金から分別して、会社の外の企業年金にお金を分別管理している仕組みです。一度、掛金を納めた以上は、会社はそのお金に手出しすることができません。それこそ資金繰りが辛くても、社員の年金原資を取り崩すことが許されないのです。

企業年金に積み立てておいたお金は会社が倒産した場合、会社の借金の返済には使われません。社員とOB(年金を受け取っている人)で分配されることになります。

残念ながら本来の目標積立額を下回っている企業年金が多いので、予定額の100%をもらえない可能性が高いのですが、それでも70~80%くらいにはなると思われます(一部の厚生年金基金において、積立不足が著しいため、ほぼゼロになる可能性もあり、企業年金ごとに状況は大きく異なります)。

ほぼ100%受け取れる「401k(確定拠出年金)」

最後にもうひとつ分けて考えてみたいのは「401k(確定拠出年金)」です。社員に自己責任で運用をさせ、その運用結果で自分の退職金額が決まるため、社員に厳しく冷たい制度だと思われていますが、実はこの確定拠出年金は、会社がつぶれたときに全額受け取れる可能性が一番高い制度なのです。

確定拠出年金も企業年金制度の一部として会社が採用しているので、先ほど説明した外部積立の仕組みが整っています。会社の資金繰りに勝手に取り崩されるようなこともありません。

さらに、ほかの社員やOBとも完全に分別されている仕組みになっています。個人ごとの運用資産の残高は完全に分別管理されているため、積立不足のような考え方もないのです(個々人で運用で損失が出ている場合もあるが、いつでも自分のリアルな残高が確認できる仕組みになっている)。

会社がもし倒産した場合などは、自分の持ち分について、別の確定拠出年金口座を作ってそこに移すことになります。


会社が倒産になるようなことはできれば起きて欲しくないものですが、もしそのようなことが起きたとき、自分の退職金・企業年金がどうなるか知っておくといいでしょう。


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