会社がつぶれたときの心配のひとつに「退職金」もある
会社がまさかの倒産……退職金はもらえるの?
とはいっても、雇用保険がありますので、一定期間はある程度の給付が受けられるものの、やはり再就職先を探さなければならず、しばらくは就職活動に追われる日々を過ごしたり、うまくみつかるか分かりませんので、お金の心配はついてまわることでしょう。
そしてもうひとつ、倒産時に考えておくべきテーマに「退職金の確保」があります。退職金や企業年金と呼ばれる制度は、ある意味では賃金の一部を会社が別途積み立てているようなものです(国際会計基準上ではこれを「賃金の後払い」とみなして企業の計画的準備を求めています)。退職金や企業年金は老後の備えでもありますから、もらえなければ老後の準備が一歩後退ということになってしまいます。
このように、会社が倒産したときのお金の心配事のひとつである退職金ですが、実は、制度によって「もらえるか、もらえないか」の分岐点があるのです。その内容を詳しくみていきましょう。
実はあまり期待できない「退職金」
退職金は会社の退職金規程などで支払いルールが定められていて、現金で受け取る選択肢しかないものを「退職一時金制度」といいます。年金払いの選択肢があるものは「企業年金制度」といいますが、これは次のページで説明します。退職一時金については支払い義務が明確化されていて、退職後にカットするようなことは認められていません。また一括払いが求められています。しかし、倒産となるとなかなかもらえないのが現実です。退職金や未払い賃金とともに労働債権として優先的に支払われるルールなのですが、会社が倒産するときはすっからかんになっていることが多く、未払い賃金の一部を回収するのが精一杯、ということが多いためです。会社に退職金の支払い分を現金で準備させる仕組みもないため、計画的にキャッシュを積み立てていないことが多いのです。
退職一時金については、会社がつぶれたときはほとんどあてにならない、と考えておいたほうがいいでしょう(もし、会社がヤバいと思ったら、先に辞めて退職金をもらっておいたほうが得策です)。
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