株・株式投資/決算書からチェック!気になる銘柄の株価

収益力のファナック~超優良企業の決算書とは?(2ページ目)

ファナックは、工作機械を数値で制御する装置(NC装置)を研究開発し、製造・販売している企業です。30年前の1983年1月31日の終値は1,419円でした。その30年後の2013年1月4日の終値は16540円ですから、30年間で約11.7倍になっています。株価は、1年あたり8.5%上昇したことになります。「どひぇ~~~!!!」と驚く高い売上高営業利益率なのです。

日根野 健

執筆者:日根野 健

公認会計士ガイド

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ファナックの売上高営業利益率 = 2218億円 ÷ 5384億円 = 41.2%
となります。


この率を見て、どう思われましたか?企業の決算書を見慣れた方なら、「どひぇ~~~!!!」と驚く高い率なのです。日本を代表する企業たちが上場している東京証券取引所。その企業たちの2011年度の売上高営業利益率の平均値は、4.6%なのです。

売上高営業利益率の比較undefinedファナックVS東証平均

【図 売上高営業利益率の比較 ファナックVS東証平均】


ファナックの売上高営業利益率を東証平均と比べてみると、いかにその率が高いかが分かると思います。

これだけ収益性の高い企業ですから、財務体質も抜群です。自己資本比率が86.8%ととても高くなっています。負債がとても少ないということですね。

その秘訣は? ~圧倒的な技術力とその保護~

驚くべき収益性の秘訣はどこにあるのでしょうか? ひとつは、やはり高い技術力。同業他社に真似のできない技術やノウハウを数多く抱えていると考えられます。次に、コスト削減。ファナックが自社製品により、自社の工場をロボット化することで、生産にかかる人件費を大幅に抑制していることが挙げられます。

最後に、日本における集中生産と技術の保護。自社の工場をロボット化し、コストを削減することで価格競争力を高め、その分、生産を日本国内に絞って技術を保護しています。収益性の低い製品であれば、海外諸国で現地生産をすることで製造原価を低く抑えるしかありません。しかし、ファナックでは、工場のロボット化により製造原価を十分に低く抑えられているため、日本国内で生産した製品を海外に輸出販売しても十分採算が取れるのです。その結果、技術の流出を防ぐことができていると考えられます。

日本が誇るべき、超高収益企業ファナック。マジンガーZの光子力研究所のように、富士のふもとで、日々、研究・開発・生産を続けています。

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