京の紅葉は、東福寺をおいては語れない
鎌倉時代初めの嘉禎2年(1236)、関白九条道家が、摂関家の氏寺にふさわしい「京都で一番大きな寺を造ろう」と、大きさは東大寺、教行は興福寺にならい、それぞれの一文字ずつをとって、東福寺と名付けました。約5万坪の広大な寺域には、山あり谷ありで、その景観は「東福寺十境」と呼ばれています。日本で最大の三門など、迫力ある巨大な伽藍が甍を競う、まさに巨刹という表現がぴったりのお寺です。
渓谷・洗玉澗に架かる通天橋が、東福寺における紅葉観賞のクライマックスです。約2000本とも言われる紅葉が、眼下の谷間を鮮やかに染め上げ、深紅に燃え立つその光景には、激しい迫力さえ感じます。この景色は、古くから「通天紅葉」と称され、紅葉の名所が多い京都でも、最高のポイントとされています。
東福寺は、庭園でも知られるお寺です。特に、方丈を囲むように配された東西南北の庭は、名作庭家・重森三玲の手による庭で、釈迦が一生に得た八つの重要な段階である八相成道にちなみ「八相の庭」と呼ばれています。どの庭も、日本庭園の伝統を踏まえたうえで、三玲独特の斬新な技法を駆使した、近代禅宗庭園として見応えがあります。
■東福寺
・住所:京都市東山区本町15-778
・電話:075-561-0087
・拝観料:一般400円
・拝観時間:9:00~16:00
・アクセス:JR・京福東福寺駅から徒歩10分
・HP:http://www.tofukuji.jp/index2.html