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木造十三重塔 談山神社

石の十三重塔はポピュラーな存在ですが、木造の十三重塔があるのは、世界でも談山神社だけ。鮮やかな紅葉が山上の境内一帯を覆う美しさは、関西随一といわれ、多くの観光客が訪れます。

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世界でただ一つの木造十三重塔 「談山神社」

談山神社

談山神社

石の十三重塔はポピュラーな存在ですが、木造の十三重塔があるのは、世界でも談山神社だけ。十三重といっても塔の高さは16.9mで、法隆寺の五重塔の半分ほど。十三階建てというのではなく、屋根だけを重ねた檐塔(えんとう)と呼ばれる形式の塔だからです。談山神社の十三重塔は、檐塔の木造建築としても現存唯一の例です。

伝承によれば、678年(天武天皇7年)、藤原鎌足の長男で唐から帰国した留学僧の定恵が、父鎌足の墓を摂津の安威からこの地に移し、十三重塔を建てて供養したのが、談山神社のおこり(※1)。現在の塔は、1532年(享禄5年)の再建で、国の重要文化財です。

関西随一といわれる紅葉名所

鮮やかな紅葉が山上の境内一帯を覆う美しさは、関西随一といわれ、多くの観光客が訪れます。わたしは朝8時12分の始発のバスに乗りましたが、紅葉最盛期の11月下旬の三連休だったこともあり、車内は超満員すし詰め状態。乗客の集まり具合に応じて臨時便が運行されます。

大化の改新の伝説地

談山神社の名は、ここで中臣(藤原)鎌足と中大兄皇子(のちの天智天皇)が大化の改新に向けた密談を行ったことから「談山(かたらいやま)」と呼ばれるようになった、という地名伝承に由来します。十三重塔の横の山道を「談山」への標識にしたがって登ると「御相談所」の石碑の立つ広場があります。なお、明治の神仏分離令まで、談山神社は多武峯(とうのみね)妙楽寺という寺院でしたが、「多武峯」は「談(たむ)峯」から転じたとされており、こちらも由来は同じです(※2)。

※1 奈良時代成立の『藤氏家伝』では、定恵は唐から帰国した665年死去とされており、678年定恵開創説と矛盾します。
※2 『日本書紀』など古い文献に「田身嶺」「多武嶺」がある一方、「談峯」はないので、むしろ、「多武」の地名が「談」を想起させ、密談伝承と「談峯」由来説が生じた可能性も。

■談山神社
・住所:奈良県桜井市多武峰319
・電話:0744-49-0001
・拝観時間:8:30~16:30(紅葉シーズンのライトアップ期間は18:00まで)
・拝観料:【大人】500円、【小人】250円、【小学生未満】無料
・アクセス:JR桜井駅南口から奈良交通バスで、談山神社バス停下車。所要25分、運賃480円。
・URL:http://www.tanzan.or.jp
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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