その時代、時代を映し出す貴重な歴史的資料が見られる

 

 

 

 

 

 

ソルボンヌ大学やパンテオンからほど近く、学生やブラッセリーで賑わうパリの人気地区カルチェ・ラタン。そこにはひそかに、1~3世紀にかけて建てられたローマ時代の共同浴場跡が残っており、中世時代の見事な作品が見られる美術館になっています。パリの喧噪から離れて一歩中へ入ってみると、その古い歴史を感じられる世界が待っているのです。

ここは、ローマ遺跡あとに、中世に建てられたクリュニー修道院長の家を利用してつくられており、その見所は、なんといっても当時も高価だった数々のタピストリーです。その優れた保存状態は、フランスの中でも有数だと言われているほど。タピストリーは眺めていて美しいだけでなく、その時代の人びとの生活、狩猟の様子、食べ物、着ていたものなどをストーリーと共に描かれており、生活様式を写真のごとく映し出している貴重な歴史的資料といってもよいでしょう。

有名なのは、「La tenture de saint Etienne」で、45mもの長い生地の上に、12枚に分けて絵が織られているのだそう。

そして、童話の世界を見ているような不思議な気分になる「貴婦人と一角獣」は、6枚からなるタペストリー。これは、15世紀末のもので、「味覚」「視覚」「嗅覚」「触覚」「聴覚」、そして「我が唯一の望み」という人間の6つの感覚を表現しているものだとされているのだそうです。6枚のタペストリーはすべて、若い貴婦人を挟んで常に一角獣が左に、獅子が右にというポジションになっています。

どのタピストリーも、何を伝えたいのかじっくりと魅入ってしまう貴重なもの。他にも彫刻、中世十字軍のアクセサリーや生活道具などが展示されており、その都度特別展も開催されているので、充実した時間が過ごせます。


■クリュニー美術館
TEL:01 53 73 78 00 / 01 53 73 78 16
開館時間:9:15-17:45(火曜、1/1、5/1、12/25休館)
ホームページ:クリュニー美術館

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