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WPR#31 『イサム・ノグチ』展/前編(3ページ目)

彫刻から空間デザインへ?その無限の創造力に触発されるイサム・ノグチ展。ニューヨーク、日本の美術館所蔵の作品の中から46点を展示。ガイド自らカメラ片手のプレス・レポートです。取材協力:東京都現代美術館

石川 尚

執筆者:石川 尚

ファニチャーガイド

踊る‘象形文字’、そして計算された‘ノグチ・ディテール’


次の明るい空間では、ノグチの素描やブロンズの作品が並んでいる。彫刻家:イサム・ノグチの作品を見るのは、初めて。パリでアートを学んだ彼の作品には、ピカソやミロなどキューピズムの影響が見えかくれしますね。

エントランスの薄暗いあかりの間から一転、トップライト明るい空間に真鍮の作品がキラリ……。
写真をクリックすると拡大されます。
その奥では、平面構成が立体になった作品群。前出の作品がもっと軽やかに空中を舞い、コミカルで、憂いを感じる人の様子を表現しているようです。そして、ボクには、まるでテーブルや椅子など、ファニチャーの一部にも見えてくる。(どんなものでも、ファニチャーの一部に見えてくる一種の病気です、ハイ!)
切り抜かれた平面の連結構成作品群……生命体の世界へ飛び込んでいる感じだなぁ。。。
写真をクリックすると拡大されます。
コーナーの壁面に近付いてみると彫刻の為のワークシートが展示されている。作品習作だが、踊る象形文字のよう…コミカルな動きが、見ていて楽しい! ノグチが、カタチもレイアウトも愉しみながら造形していることが伝わってくる。よく見ると、黒紙の上に方眼紙を乗せ、それをカットして習作している、、描いているのではなく、平面彫刻しているのです。
■彫刻のワークシート/Worksheet for Sculpture 1945年制作 鉛筆、方眼紙、黒クラフト紙(財団法人イサム・ノグチ日本財団所蔵)?2005 The Isamu Noguchi Foundetion and Garden Museum/ARS,New Youk/SPDA,Tokyo
まるで象形文字のような絵が。。。
写真をクリックすると、ワークシートを使って遊ぶコーナーが拡大されます。
次の間に移動した瞬間、ボクは一つの作品に引き寄せられた。
それは単なる彫刻ではなく、計算し、デザインされた作品。会場では著作権等の問題で撮影ができない。そこでボクはあらゆる方向から作品を見つめ、フムフムと感心しながら、持参したスケッチブックに作品のディテールを描きはじめた。(会場で、ボクの唸り声、響いていたとおもうなぁ。。。)
■(中央)ツー・イコール・ワン 1988年制作 ブロンズ(香川県文化会館所蔵)
面材構成の作品群……中央の作品にボクは引き付けられた。。。
写真をクリックするとこの作品を繊細に描いたガイドのスケッチコラムが拡大されます。
ノグチが、なぜテーブルや椅子などファニチャーのデザインができたのか?……それは、造形だけではなく、機能や構造、そして製作する為のディテールを、彼はしっかり見据えて創っている……その理由がわかる作品と出会ったような気がした。 さて、展覧会後半の様子は、『イサム・ノグチ』展/後編にて。 四国香川牟礼、イサム・ノグチ庭園美術館から門外不出とされていた石彫の代表作『エナジー・ヴォイド』が登場!もちろん、ノグチ氏の椅子やテーブル等、グッ!とよったアングルと共にご紹介します。 ご期待ください! ■会場:東京都現代美術館
■会期:2005年11月27日(日)まで
■観覧料:一般\1,300-/大学・専門学校生\900-/中高生・65歳以上\500-
■開館時間:10:00am~18:00pm(入館は17:30pmまで)
■休館日:月曜日

※取材協力:東京都現代美術館


※全ての内容について、一切の転載・改変を禁じます。

(C)2001-2006 Copy & Photo by イシカワデザイン事務所

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